TOEFL iBT対策でWriting SectionやSpeaking Sectionの学習を先行させることについて ―英語学習の勧めvol.144―

(2013年9月13日 16:30)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、TOEFL iBTのスコアが60点辺りから上向いていかない場合には、Writing SectionやSpeaking Section対策としてTOEICのPart5・6に関する学習を行なうことが望ましいということを、学習者の心理的負担という観点から説明しました。文法や語法を日本の中学校や高校で見られる形で学ぶことが嫌だという人には、そこで述べた方向性で学習を進めることを試してもらえればと思います。


さて、前回の記事の終わりの部分で、TOEFL iBTの受験に向けた準備において、Writing SectionやSpeaking Sectionの対策を先行させることが、早めのスコアアップを考えるのであれば適切であるかもしれないということを述べました。このように考える理由の一つは、これまでに僕らが指導してきた生徒のエッセイの答案などと実際にTOEFL iBTで取得したスコアを比較すると、この2つのセクションでは日本の大学入試で見られるような厳密な減点法によってではなく、特定の文法項目に関する誤りの頻度を大まかな形で評価するという形でスコアが決まっていると考えられるということにあります。


また、この2つのセクションには、簡潔な文の形で与えられるトピックに関して自分の考えを表現するという問題が見られます。このような問題は、使用する単語や表現、構成などを自分で決定しなければならないという点で負担が大きいと感じられる反面、文章を読解したり、音声で伝えられるパッセージの内容を聞き取ったりということが求められるものと比べると、問題作成者から投げかけられるものが少ないために、自分の理解していることや持っている知識の総量が小さい場合でも十分な評価を受けることが期待できるものです。


例えば、記憶すべき語彙の量だけを考えても、Reading Sectionで高いスコアを取得するには、学問研究の領域で用いられる専門的な用語を含めて7000語は必要になりますが、Writing Sectionでエッセイ問題を書く際にその半分の量を習得していれば、年齢相応な文章を書けるようになります。単語や表現を話したり、文章を書いたりするような自発的に表現する場面で自由自在に用いることができるほど記憶に定着させるには、受動的な形で用いる目的で学習する場合よりも時間がかかるという問題は残るものの、習得すべき事項を大幅に限定できるという点で、短期的な学習でスコアアップを達成しなければならない場合、Writing SectionやSpeaking Sectionの2つのセクションの対策を先行させることを考えてもよいように思います。


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