こんにちは。SOLの余語です。
前回は、中央大学の法学部や商学部で実施される英語運用能力特別入試の概要や、法学部の海外帰国生等入試や英語運用能力特別入試で共通したものとなっている国語試験や小論文試験がどのようなものかということをお知らせしました。小論文試験では、あるトピックに関して対立する点のある2つの文章を読むという他の大学ではあまり見かけない出題形式を採ることが多いので、新聞などで同様の形式の論説記事を読むことを対策にしてもらえればと思います。
さて、この大学の商学部ではこれまで紹介した特別入試制度に加えて、ドイツ語・フランス語・中国語・スペイン語特別入試を行なっており、英語ではない言語を主に用いる教育制度で学んだ人にも入学する可能性を与えています。特に、外国語試験を中国語やスペイン語を使って受験できる私立大学は少ないので、それらの言語で学習体験を蓄積した場合には、これを中心に大学受験の予定を考えるというケースが珍しくありません。
この入試制度における出願条件は「通常の12年の学校教育課程を2014年3月31日までに修了していること」の他に、大学指定のドイツ語やフランス語、中国語、スペイン語の運用能力試験で一定以上の級を取得していることとなります。どの言語についても複数の試験が指定されていますので、詳細はこの記事の最後にリンクを貼る大学HPにある表の「出願資格」の欄を参照してもらえればと思いますが、実施団体が日本にある試験に限定すると以下のような水準をクリアすることが求められます。
・ドイツ語技能検定3級以上
・実用フランス語技能検定3級以上
・中国語検定3級以上
・スペイン語技能検定4級以上
合否の選考は、外国語試験(ドイツ語、フランス語、中国語、スペイン語から一つ選択)や国語試験、小論文試験、面接試験の結果に基づいて行なわれます。HPの合格実績を見ると、それほど多くの合格者が出ているわけではないことが確認でき、外国語試験の対策も余念なく行なう必要があることが分かります(特に、台湾の現地校を卒業している場合には、HSKの問題で用いられる文字に慣れておくということが重要な学習課題となります)。
また、国語試験や小論文試験は海外帰国生等入試、もしくは英語運用能力特別入試と共通の問題が出題されますが、小論文試験では経営学や経済学に関連する文章だけが問題文となるわけではなく、人文科学的なものや社会的な問題を扱っているもの(例えば、少子化問題に関して、人口の増加・減少の両現象のどちらが好ましいかという評価はそれぞれの時代の政治的、経済的状況によって変化しているという内容の文章)に対応することが求められる場合があります。このような傾向を踏まえると、読書の対象を分野で限定することなく、できるだけ広い範囲で設定すべきということになるのだと思います。
この入試制度の出願手続き期間は9月9日から13日までとなります。外国語運用能力試験の成績証明書は原本の提出が求められていますので、今、それが手元にないという人はなるべく早い段階で出願手続きに向けた準備を始めるようにしてください。
【中央大学商学部ドイツ語・フランス語・中国語・スペイン語特別入試HP】
https://www.chuo-u.ac.jp/admission/faculties/special/sp_06/
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https://www.schoolofliteracy.com/contact/
中央大学商学部のドイツ語・フランス語・中国語・スペイン語特別入試について(2013年度版)―帰国生大学入試についてvol.202―
(2013年8月26日 18:25)