こんにちは。SOLの余語です。
「帰国生大学入試について」のvol. 197からvol. 199までの各記事では、学習院大学で実施される帰国生が受験できる特別入試制度の概要を紹介しました。この大学の海外帰国入試や自己推薦入試では、学部や学科によって試験科目や出題される問題の傾向に違いがありますので、自分が受験するところの特色に合わせて受験準備を進めるようにしてください。
さて、首都圏の難関私立大学の中では、中央大学が帰国生の受け入れに最も積極的な大学の一つです。ここでは、帰国生を対象とした特別入試制度がいくつかありますが、今回は文学部や商学部、法学部で実施される海外帰国生等特別入試を取り上げたいと思います。まず、この入試制度における出願資格を認定するための条件は以下の通りです。
(1)日本国籍、もしくは永住権などを有していること
(2)2013年4月1日から2014年3月31日までの間に、通常の12年の学校教育課程を修了している(もしくは、修了見込みである)こと
(3)外国の教育制度を採用する海外の高校に継続して2学年以上在籍したこと
合否の判定は、筆記試験や面接試験の結果に基づいて行なわれます。筆記試験の科目は学部によって異なる部分がありますが、共通して受験することが求められる外国語試験に関しては、法学部や文学部では英語以外にドイツ語やフランス語で(文学部は特定に学科に限定されます)、商学部はドイツ語、フランス語、中国語、スペイン語のいずれかで受験することが可能です。この点で、英語以外の言語を主要な使用言語とする教育制度で学んできた人にも門戸を開いている入試制度だと言えるでしょう。
また、商学部では、例えばTOEFL iBTで68点以上、TOEICで680点以上というように大学指定の英語運用能力試験で一定以上のスコアや級を取得している場合、英語試験の受験が免除されます。ただし、この条件に合致するからと言って外国語試験で満点を取ったように扱われるのではなく、提出したスコアや級の高低によって合格可能性が変化するということに注意してください。
法学部や商学部の日本語を用いる筆記試験はその他の特別入試制度と共通ですので、その特色の説明は今後の記事に譲りますが、文学部の小論文試験は各学科で独自に作成された問題が出題されますし、それらには参考にできる文章が付いておらず、学問的なトピックや海外体験などについて問う問題が出題されるのが通常です。そのため、自分が受験する学科で取り扱われる学問に関連した本を多く読んで、自分から話題を提供できるような準備をしておくべきですし、過去問での練習などを通じて自分の海外で経験したことを他の人に説明できるような形でまとめておくのが望ましいと思います。
この入試制度の出願手続き期間は9月9日から13日までとなります。TOEFL iBTのスコアレポートを提出する場合には大学に直送する手続きを取ることが求められていますし、商学部のフレックスPlus1コースに入ることを希望する場合には、奨学金の用途などに関して文章で説明する書類を作成しなければなりませんので、早めに準備に取りかかるようにしましょう。
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中央大学の海外帰国生等特別入試について(2013年度版)―帰国生大学入試についてvol.200―
(2013年8月21日 15:35)