慶應義塾大学の帰国生入試について(2013年度版)―帰国生大学入試についてvol.186―

(2013年7月4日 20:00)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、学習環境が海外の教育機関に似ていたり、入学時に専攻を決めなくてもよかったりというような理由で、帰国生の間で人気のある国際基督教大学(ICU)の4月入学者を対象とした帰国生入試について、出願資格を得るための条件などをお知らせしました。この入試は競争が厳しいものですので、今年受験を予定している人は小論文試験に向けた対策などを念入りに行なってもらえればと思います。


さて、今回はこれまでに紹介した早稲田大学やICUと同様に人気の高い慶應義塾大学の帰国生入試を文系学部に限定する形で取り上げます。この入試制度における出願資格を得るための基本的な条件は以下の通りです。


(1)国の内外を問わず通常の12年の教育課程を修了している(もしくは、修了見込みである)こと
(2)外国の教育制度を採用する海外の高校に最終学年を含む2学年に在籍し卒業している(もしくは、卒業見込みである)こと
(3)高校の採用する教育制度における大学入学資格を取得していること
(4)(3)の大学入学資格取得のための統一試験などの結果を提出できること
(5)過去のこの入試制度で出願したことがないこと



これら5つの条件に加えて(もしくは修正する形で)、学部別に海外の教育機関における在籍期間や高校卒業から大学入学までの期間などに関する条件が設けられており、例えば法学部では2012年9月1日以降に高校を卒業していなければ出願資格が認められませんし、上の(2)に該当しない日本の高校に編入した場合でも、海外の中学校・高校に通算で4学年以上在籍していればよいとされています(ただし、合否の判定では海外の教育制度における統一試験や最終試験の成績が重視されるため、日本の高校に通っていてこの入試で合格した人はそれほど多くないという点に注意が必要です)。


また、アメリカの教育制度の大学入学資格を取得する場合にはACTではなく、SATを受験しなければなりませんし、SATのSubject Testsなどでどの科目のスコアが必要になるかは学部によって異なります。その上、TOEFL iBTのスコアに関して、アメリカの教育制度の大学入学資格取得をもって出願する人にスコアの提出を求めるだけでなく、IB Diplomaコースを含む英語圏の教育制度で学んだ人にも求める学部がある(文学部と商学部)など、受験生の履歴によっても条件が様々な形で定められています。この点については、入試要項へのリンクを貼っておきますので、その7~9ページ、13~18ページで確認してください。


【慶應義塾大学帰国生入試要項】
https://www.admissions.keio.ac.jp/exam/l6j2qm00000060yr-att/l6j2qm000000619i.pdf


合否の判定は、出願手続き時に提出された書類に記載された成績(統一試験や最終試験のものも含む)、面接試験の出来を基に行なわれます。ただし、法学部では小論文試験があり、その評価が合否に直接的な関連性を持っています(その他の学部でも小論文を書く時間がありますが、面接試験時の参考にされるだけです)。また、アメリカではSATのスコアが高くても学校成績や志望理由などを説明するエッセイに問題がある場合には合格可能性が低くなる大学が増加しているようですが(高校での生活をないがしろにしてSAT対策だけに注力したとみなされ、それが悪い評価につながるようです)、慶應義塾大学の帰国生入試においてもそのような傾向が見られますので、志望理由書の作成や面接試験の対策には十分な時間をかけることが重要だと言えるでしょう。


この入試制度における出願手続きは、インターネット上での登録と、提出が求められている書類の送付の2段階があり、期間については前者が7月23日10時から8月2日15時まで(いずれも日本時間)後者が7月30日から8月2日までとなります。提出する書類の中には、TOEFL iBTのスコアレポートのように大学への直送が求められているものがあるので、この手続きに向けた準備はなるべく早く始めるようにしてください。


それでは、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。
【お問い合わせフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/


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