早稲田大学帰国生入試の英語試験について(2013年度版) ―英語学習の勧めvol.133―

(2013年6月25日 20:10)

こんにちは、SOLの余語です。
「英語学習の勧め」では、前回まで京都大学国際交流センターの青谷准教授によるTOEFL iBTに向けた学習法に関するセミナーでお聞きした話を基に、英語を学習する際に注意すべき点について述べたり、適切な教材を紹介したりしました。帰国生や海外生であっても、英語は外国語であるという意識を持つことが重要で、適切な形での学びを継続してもらえればと思います。


さて、これからは帰国生入試の英語試験の中で受験者の多いもの、もしくは特徴的なもののいくつかについて、その出題傾向などをお知らせしようと考えていますが、今回は早稲田大学帰国生入試の英語試験を取り上げます。この試験はTOEFL PBTと同様の形式で問題が構成されており、読解問題が4~5題、文法やイディオムの知識を問う空欄補充問題、文中の誤っている箇所を指摘する問題(ここまでは全て記号で答えるものです)に合わせて、B4の紙1枚が用紙として配布されるエッセイ問題が出題され、私立大学の入試の中では、最も総合力が問われるものの一つと言えます。


2012年度入学者を対象とした入試まで4、5年の間、文章内で用いられる単語や表現はTOEFL iBTで出題されるものの枠内にほぼとどまっていた上に、空欄補充問題で問われるものは海外での日常生活で使われるものが多く、文中の誤りを指摘するものも日本人がエッセイを書く時にチェックされるものがほとんどでした。そのため、TOEFL iBTで高いスコアが取れる人であれば8~9割の問題に正しく答えられることが期待できるもので、法学部や商学部、文学部、文化構想学部の合格者はほとんどの人がこのような高い得点を実際に取っていたと考えられます(少なくとも、SOLの生徒はそうです)。


一方で、昨年実施されたものは、問題そのものはそれほど難しくなった印象は受けないものの(特に、空欄補充問題や文中の誤りを指摘する問題はそれ以前と難易度が変わりません)、読解問題の問題文中で使われている単語や表現の水準が上がり、TOEFL iBTのスコアが高い人でも「見たことがない」というものが含まれるようになりました(この中には問題として意味を問われているものもあります)。この影響があったためか、上に挙げた学部でも英語圏の国々の教育制度で学んだ経験がなくても、国語試験や小論文試験で高い得点が取れたことで合格した人がいます。


今年度の試験ではどちらのパターンで問題が作成されるのかは分かりませんが、後者である場合に備えてTOEFL iBTのリーディングセクションで出題されるものよりは内容が難しい文章に数多くふれておくべきです(TOEFL iBTでは英語のネイティブスピーカーの小学4年生~中学3年生が読むのに適当なものが出題されますが、SOLの英語の授業では高校2年生~大学2年生ぐらいの人を対象としたものをテキストとして使用しています)。なお、この大学の英語試験の過去問は不完全な形ではあるものの、以下のサイトで確認できますので、受験を予定している人は参考にしてください。


【早稲田大学帰国生入試過去問】
https://www.waseda.jp/nyusi/past_test/u_graduate/kikoku_gaikoku.html#kikoku_gaikoku


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