北半球の高校生の受験準備に関してvol.34 ―帰国生大学入試についてvol.176―

(2013年5月31日 20:15)

こんにちは。SOLの余語です。
「帰国生大学入試について」では、vol. 173からvol. 175までの各記事において、英語圏の国々の教育制度で学んでいる中で英語運用能力を順調に向上させることができなかった人が高校卒業後に受験準備を行う環境を選ぶ際に注意すべき点をお知らせしました。学習に関するサポートの必要性が高い人ほどそれを受ける機会に恵まれない(もしくは、その質が低い)ということは日本の予備校や塾ではよく見られることですので、上のような学力の状況にある人には自分の潜在能力をうまく引き出してくれるような教育環境を探すようにしてください。


さて、この記事ではvol. 172までの話の流れに戻りたいと思いますが、アメリカ以外の英語圏の国々の教育制度には、最終学年やその1つ前の学年に入る時点で、その教育制度における大学入学資格を取得できる可能性がなくなってしまうものがあります。例えば、IBにおいて大学入学資格を得るのに必要なDiplomaコースの履修の可否は11年生になる以前に判断されますので、ここでこの教育制度での大学入学資格の取得の見込みが立たないというケースが出てくるということになるのです。それでも、出願資格を認める条件の一つとして海外の教育制度における大学入学資格の取得を求める早稲田大学の帰国生入試などでは、アメリカの統一試験であるSATやACTのスコアを代わりに提出できれば、受験することが認められます。


ですので、最終学年に入る以前に、自分が学んでいる高校が採用する教育制度の大学入学資格が認められないことが分かっている場合には、高いスコアが出る可能性が低いとしても、なるべく早い段階でSATやACTをとりあえず一度受けておき、その後、英語運用能力を向上させるための取り組みに注力すべきです。このような方向性で学習を進めることができれば、帰国生入試に関して受験校の選択の幅が狭まることを心配する必要はなくなりますし、英語の学習をした結果、TOEFL iBTのスコアが十分に伸びるということがあれば、SATなどのスコアをその結果が合否判定に直接的な関連性を持っている一部の国立大学や慶應義塾大学の帰国生入試に挑戦できる水準にまで引き上げるための対策を行なうことも考えられます。


なお、アメリカ国外でSATを受ける場合には、アメリカ国内で受けるのに比較して受験機会が著しく限定されます。高校卒業の時期に慌てて受験しようと思っても、すでに登録手続き期間が終わっていたということもよくありますので、公式HPなどでテストが実施されるスケジュールを確認し、忘れないうちに受験を済ませてしまいましょう。


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