こんにちは。SOLの余語です。
前回は、IB Diplomaコースのような教育制度において大学入学資格を取得できない場合、首都圏の難関私立大学の帰国生入試やAO入試で受験が認められるものが多くあるものの、筆記試験の結果が重要であるのが一般的であるため、今年度の受験を考えているのであれば、今の段階から英語試験に対応するための実力を養うための取り組みを始めるべきということを述べました。人にもよりますが、通常、英語の学習の成果が出てくるのには時間がかかりますので、上のようなケースではこれから受験までの期間を一時も無駄にしないようにしてもらえればと思います。
さて、英語運用能力が順調に伸びておらず、高校の授業で理解できないことが往々にしてある段階では、TOEFL iBTやTOEICといった英語運用能力試験を受験に対して消極的な姿勢を見せる人がいます。誰にとっても苦手なものを学習することは苦痛が伴いますし、ましてや結果が得点などの形で示されるのを考えると、これらのテストを敬遠してしまうのも無理がないところです。しかし、帰国生入試やAO入試の中には、出願資格を認めるための条件の一つとしてTOEFL iBTやTOEIC、英検で一定以上のスコアや級を取得しているということが設定されているものがあり、例年、それさえ満たせれば合格できたかもしれない可能性を活かせなかったという事例がいくつもあります。このようなことを考えると、結果がどのようなものになりそうかということに関係なく、TOEFL iBTやTOEICをできるだけ受験しておくべきです。
なお、これらの英語運用能力試験を比較すると、TOEFL iBTや英検が学問的な内容を扱った複雑な構造を持つ文が取り上げられたり、エッセイを書くことが求められたりする一方で、TOEICは受験者が英語を用いて自分の考えなどを表現する必要はありませんし、英語圏での生活体験がある程度蓄積されていれば対応できる人が多い水準の問題が出題されます。このため、TOEICの方が高い評価を受けるスコアを出すことが容易ですので、今年度に大学受験をする予定で、TOEICの受験が可能な大都市やアジア系の留学生が多く住んでいる場所に住んでいる場合には、このテストをなるべく早く受けられるように手続きを取るべきです(ただし、受験校の選定をする際には、大学によっては上のような事情からTOEICのスコアが額面通りに評価されないことがあることも考慮に入れるようにしてください)。
TOEFL iBTやTOEICのスコア証明書が大学に直送されたり手元に届いたりするには1ヶ月~1ヵ月半かかると公式HPでは説明されており、前者では2ヶ月経っても大学事務局への直送が確認できないことがありますので、自分の受けたい入試の出願手続きの日程と照らし合わせながら、英語運用試験の受験スケジュールを決めるようにしてください。
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北半球の高校生の受験準備に関してvol.30 ―帰国生大学入試についてvol.172―
(2013年5月16日 19:40)