今年も青谷准教授のセミナーに参加してきましたvol.5 ―英語学習の勧めvol.126―

(2013年5月15日 12:15)

こんにちは、SOLの余語です。
前回は、外国語の学習において苦労した経験がある人が少なくないと思われる単語や表現の意味などを記憶に定着させるための手法に関して、学習目標となっているものが用いられている短い文を読んでその意味を推測したり、辞書や単語集に意味の説明として記載されている日本語にどのような統一的なイメージがあるかを考えたりと、「頭を働かせる」過程を入れるべきということを説明しました。学習法の研究で具体的な取り組みのあり方には決定的な形は示されていませんので、上のような注意点を念頭において個人ベースで考えてもらえればと思います。


さて、単語や表現の意味を覚えようとする時には、前回述べたのと違う方向性で「頭を働かせる」ことでその負担を軽減することが可能になります。例えば、indispensableという語は「絶対に必要な、避けられない」という意味を持っていますが、この語はinとdispense(最後のeは省略されています)、ableの3つの部分で構成されています。このうち、dispenseはThe professor can dispense with an interpreter, because he speaks English well.という文などで「~なしで済ます」という意味の語ですし、頭に付いているinは否定(例えば、inaccurate)、最後のable(例えば、dependable)は可能を表す形容詞を作ります。これらが合わさって「なしで済ますことはできない」「絶対に必要な」という意味になっているのです。


英語の単語には、indispensableのように複数の要素に分けることが可能なものが多く存在します。特に、ある単語の最初や最後に何かを付けることで意味を発展させるというのは広く見られるもので、単語帳のような教材で目にする単語の数が増えていく中で、この点に意識を置いていれば、どのようなものが単語の頭や後ろに付加されることでどのような意味の変化が起こるのかということについての大体のイメージができるはずです。そして、それが正しいものであれば(語頭や語尾に置かれるものの意味は英和辞典で確認できます。例えば、上で言及したinはin-という独立した項目で「不…、非…、無…、欠…(not)」という形で説明されるのが一般的です)、indispensableの場合で言えば、中心にあるdispenseの意味だけを記憶すればよいということになるはずです。


このような語頭や語尾に付いて単語の意味を変化させるものは一つで複数の意味を持つ場合がありますし(inはincomeに見られるように「内の、で、に、へ」という意味で用いられます)、組み合わさった単語によってスペルが変わることもあります(inはpossibleに付くとimpossible、legalに付くとillegal、regularだとirregularとなります)。これらの点には注意が必要ですが、語頭や語尾に付くものの意味に対する理解を深めることで、単語の学習の対象となるものの数を減らすことができれば、単語の学習を苦手に感じる人にとってはその辛さが幾分か軽くなるように思います。


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