こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、海外の教育制度の下で運営されている高校に通う人が英語学習において用いる電子辞書が満たすべき5つの条件のうちの3つについて説明しました。それらは①搭載されている辞書が学習レベルに見合ったものであること、②辞書やコンテンツの数が絞り込まれたものであること、③英和辞書に関して特徴の異なる2種類のものが搭載されていることですが、今回の記事では残る2つの条件を取り上げたいと思います。
④異なる辞書の間の連携機能がしっかりとしたものであること
実際に単語や表現の意味などを辞書で調べてみると、それぞれのものに掲載されている説明には微妙な違いがある場合がありますし、ある辞書には載っていたが他の辞書にはなかった意味に出会うということも少なくありません。これは各出版社の編集方針や辞書の説明の基礎となる英文のデータベースが異なることなどの表れですが、調べている対象の全体像を把握したり、学問研究の現場というような特殊な状況ではどのような意味で使われているのかということを理解することを目標として設定したりするのであれば、複数の辞書を用いることが望ましいということになります。
このため、現在市販されている電子辞書では搭載されている全ての辞書を一括して検索する機能や、「ジャンプ機能」(ある辞書の説明内にある単語の意味を検索するための機能)のように異なる辞書間の連携機能を備えていることが多いものの、一つ一つの製品で使用者にとってそれが使いやすいものであるかどうかということについて差異が見られます(例えば、上で述べた機能のためのボタンが独立している場合もありますし、他の機能と共用のものであるために1、2ステップ多く操作手順を踏まなければならないものもあります)。「使いやすさ」には主観的な部分もあるので一定の基準を定めるのが難しいところですが、少なくとも電子辞書を購入する時にはここで説明した注意点を意識することが必要になるでしょう。
⑤英語の例文が充実したものであること
高校の授業で英語のエッセイを書いたり、TOEFL iBTのライティングの練習を行なったりする際には、そこで用いたいと考えている単語や表現の正確な意味や用法、そしてどのような文脈や状況で使うのが適当なのかということなどを辞書で確認すべきです。このような場面で電子辞書に搭載されている辞書でその単語や表現が実際に組み込まれている例文をチェックしてみることは大きな意味を持ちますが、どれだけの数の例文が入っているかはものによって違いがあり、上のような目的を考えると例文数ができるだけ多いものが理想的です(メーカーによっては、広告のためのHP上などで海外旅行の際に携帯する人のいる「一言会話集」に掲載されているものまで含んだ例文数を表示している場合もあり、辞書を購入する際にはこの点に関して注意すべきです)。
また、最近の電子辞書には、日本語の単語や表現を入力すると英和辞書の中から日本語訳した文にそれが含まれている英文が表示されるものがあり、これは英文を書く際には非常に有用な機能だと思います。ただし、この機能については、メーカーや製品でカヴァーされている辞書の数に大きな違いが見られますので、購入する前に候補となっている電子辞書で検索をかけることのできるものが多いか否かを確認してください。
それでは、次回の記事ではここまで説明してきたことを踏まえる形でSOLの教師陣推薦の電子辞書を紹介したいと思います。なお、今回の内容について、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。
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英語学習における辞書を引くことの重要性についてvol.6 ―英語学習の勧めvol.120―
(2013年4月10日 14:35)