英語学習における辞書を引くことの重要性についてvol.2 ―英語学習の勧めvol.116―

(2013年3月15日 18:40)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、英語の学習における辞書を引くことの重要性を、ある単語や表現が実際に使用されている状況からその意味を推測する場合に、本来の意味と推測の間にズレが出るケースがあるという帰国生や海外生によく見られる現象から説明しました。このようなズレが蓄積すると、どれだけ熱心にTOEFL iBT対策などをしてもスコアの向上に一定の限界が生じることになりますので、意味が明確な形で理解できない単語や表現に関して辞書で調べる習慣を身に付けてもらえればと思います。


さて、前回の記事でindifferentという単語を例に出しましたが、この単語がdifferent(異なる)というよく目にするものの頭にinが付いています。そして、inが単語の始めに置かれた場合には、insufficient(不十分な)やintolerable(不寛容な)のように反対の意味になったり、include(~を含む)やincome(収入)で見られる通り、「内側へ」というニュアンスが付け加わったりすることは英語にふれている期間が長ければ長いほど経験的に了解できる事柄です。これらの知識を活用してindifferentの意味を推測しようとする人がいるかと思いますし、TOEFLやSATなどのリーディング問題で意味がわからない単語に出会うことは学習が進んだ人でもあることなので、このようなスキルを磨くこと自体に全く問題はありません。


indifferentの意味を上のようにin+differentという形で考えると、「異ならない」、もしくは「違いが内在している」ということになりそうです。しかし、辞書でこの単語を調べてみると、実際には「無関心な」であるとか「平凡な」「重要でない」といった意味で使われることが確認できます(「違いが生じない」という意味から発展したもののようです)。ここで見られるような経験の蓄積から得られる知識を組み合わせて行なう推測とある単語が現実の世界で表すとされている意味の間に違いがあることは珍しいことではなく、例えばconsiderable(consider+ableですので、「考えられる」という意味になるように思われますが、辞書では「かなりの」「多数の」「考慮すべき」と定義されています)、distinguished(目立った、有名な、際立って優れた)などもそれに当たります。


一昨年からSOLの教室に通い、来年度の4月入学者を対象とした入試で上智大学国際教養学部に合格したS君は、高校卒業までの全ての期間を英語圏の国の教育制度で学んできました。そのような人にはよく見られることですが、彼も意味のわからない単語や表現を辞書で確認することが習慣化しておらず、過去に入試で出題された問題を解く中でindifferentの本当の意味を知って衝撃を受けたようですし、様々な単語や表現の意味に関して築き上げてきた自分の理解の何が正しくて何が誤っているかという点に強い不安を感じると言っていました。このような状況に陥らないためにも、英語の学習においては辞書を引く癖を早めに身に付けるようにしましょう。


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