2013年度4月入学者を対象とした入試の出願条件などについてvol.7 ―帰国生大学入試についてvol.100―

(2012年8月3日 17:15)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、比較的出願条件が厳しいものではなく、小学校や中学校に通っている段階で海外に滞在した経験がある人でも受験することのできる上智大学の帰国生入試の概要を説明しました。この大学には、他にも国際教養学部のAO入試という帰国生が多く受験する入試がありますが、2013年度4月入学者を対象とした試験の出願手続き期間はまだ先ですので、今回は8月中に手続き期間が設定されている明治大学政治経済学部の帰国生特別入学試験を取り上げたいと思います。


明治大学政治経済学部の出願条件は以下の通りです。


(1)日本国籍、もしくは永住権を有していること
(2)海外において外国の教育制度を採用する中等教育機関(中学校、高校)に2学年以上在籍したこと
(3)2012年4月1日から2013年3月31日の間に高校を卒業したこと
(4)外国の教育制度における大学入学資格を取得している(もしくは、取得見込みであること)
(5)大学指定の外国語運用能力試験で一定以上のスコアを取得していること



このうち、(4)に関しては、オーストラリアやニュージーランドのように、大学入試が実施された後に大学入学資格取得のための統一試験の結果が出る国の高校に通っている場合には、統一試験を受験する見込みであることを高校が証明する書類が提出できれば、出願資格が認められます。一方で、中国のようにその国の国籍を持っていなければ統一試験を受験することのできない国の現地校に通っている人や、日本の高校に編入した人はSAT Reasoning TestやTOEFLを受験しなければなりません。


※中国籍を持たずに中国の現地校で学ぶ人は多いですが、そういう人が中国の大学入学資格試験を受ける代わりにアメリカ人がアメリカの大学に進むために受けるSATを英語で受けねばならないというのは、実に理不尽な話です。それに、各大学が個別に受験資格や選考方法を決めている日本の大学について、受験資格を各大学の入試要項を通して確認するのは日本の大学が新年度となった4月以降でしょう。この段階でSATが必要だと分かっても、大学出願に間に合うようにSATを受けることは出来ません。あまりに無理な要求ですので、昨年、この大学の事務局にこの点に関する問い合わせをしました。しかし、その際に帰ってきた返答は「SAT以外の試験の受験も認めているので、問題はない」というもので、IBやGCEなどといったその他の外国の教育制度における統一試験の制度に関する理解がないことを窺わせるものでした。


残念ながら、今年もそれは変わらなかったようですが、このような外国の教育制度に関する理解が大学側に欠けていることから生じるトラブルは後を絶ちません(しっかりとした対応をしてきた大学でも、担当者が交代した時に問題が発生することがあります)。受験生の中には自ら問題に対応し、担当者との交渉の末、受験が認められたという人もいますが、受験準備に専念すべき時期にそのようなことに時間を割かなければならないというのは酷な話ですし、出願条件が認められなかった場合には、受験生の「教育を受ける権利」を侵害することに当たるケースがあるように思います。



また、(5)の外国語運用能力試験の関する条件では、英語、ドイツ語、フランス語、中国語の運用能力試験の中で一定のものの受験が求められ、出願に必要な最低限のスコアも定められています。その詳細については、以下に入試要項のリンクを貼っておきますので、その3ページにある「学部別要件」の部分を確認するようにしてください。


【明治大学政治経済学部 帰国生特別入学試験要項】
https://www.meiji.ac.jp/exam/reference/6t5h7p00000burkr-att/tk_youkou_13_1.pdf


合否の判定は、書類審査や筆記試験、面接試験の結果に基づいて行われます。筆記試験は現代文の試験になりますが、例年、難度の高い問題が出題されています。この対策をするためには、他の大学の帰国生入試で出題される現代文問題に合わせた学習をするだけでは足りず、難関大学の一般入試で出題されるような問題に取り組む必要があることに注意してください。


出願手続き期間は8月20日から24日となります。SATやTOEFL iBTのスコアは大学に直送することが求められていますし、通っていた外国の教育機関で教員からの推薦状を作成してもらわなければなりません。受験を考えている人は、これらの準備を早めにしておいた方がいいと思います。


それでは、今回の記事の内容についてご質問などがある場合には、以下のフォームよりご連絡ください。


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https://www.schoolofliteracy.com/contact/



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