帰国生大学受験セミナー通信vol.7 ―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol.30―

(2012年8月14日 17:55)

こんにちは。SOLの余語です。
「SOL帰国生大学受験セミナーについて」のvol. 3では、英語の集団授業で英文を正確に読解するために理解しておくべき基礎的な事項を、短い文を和訳するという形で確認しているということを述べました。その後、最初の学習段階で使用している教材の最後まで生徒の学習が進み、テストなどで生徒がその内容を十分に習得できたかを確認できたので、先々週から長い文章を題材としたものを用いて授業を行っています。


この英語教材で取り上げている文章は、人文科学や社会科学、自然科学に分類される様々な学問に関するもの(もしくは、社会現象などを学問的視点から分析したもの)で、その中でも、語彙や表現、内容に関して、英語圏の高校生や大学1・2年生を想定される読者として作成されたものを選択するようにしています。例えば、生徒に1つ目の教材として配布したものには、以下のような内容の文章を掲載しています。


・これまでの歴史の中で、地域を横断して使用されてきた言語はいくつもあったが、その中でも英語は国際共通語と言われても不自然とは感じられないほどに、多くの人や地域で公用語や学習すべき言語とされている。それはイギリスやアメリカといった英語圏の国々がこの世界で大きな権力を持ってきたことの結果だが、実際に十分な英語運用能力を持つ人がどれくらいいるのかということを確認するのは容易ではないことを述べるもの


・地球温暖化の進行などによって、メコン川やインダス川、ナイル川といった国際河川の利用を巡る国際的な緊張の高まりが懸念されている状況で、関係諸国が河川管理に関する共同プロジェクトを立ち上げる動きを見せていることから、紛争などにつながる可能性は以前に想定されたほど高くはないが、共同プロジェクトを進める中で貧困層の人々の生活に対する配慮が欠けていることは問題であるということを述べるもの


・人類の歴史において、人間は食料や生活に必要な物資を確保するために、森林をその自己回復の速度を上回るペースで伐採してきたが、20世紀に入った段階で、法律の整備や食料生産の効率的な生産法の開発などを通じて、自然環境を回復するための動きが見られるようになった。しかし、依然として状況は楽観的なものではなく、人間が自然環境を維持できるか否かの岐路に立っているということを述べるもの



これらの文章はA4の紙で3ページ程度の長さのもので、文章全体の内容を正確に読み取る上で重要な文や、構造が複雑で一見しただけでは理解することが難しい文の中から、5~6個の文に和訳問題をつけています。また、それに加えて、過去に指導した生徒の中には和訳問題になっている文だけを読んで他のものを読み飛ばしてしまう人がいたことや、読解力には英語学習の中でどれだけ多くの英文を読んだかに比例して伸びる側面があることを考えて、文章全体の内容が十分に理解できていないと答えることのできない説明問題を複数出題するようにしています。英語運用能力を向上させるためには、読む・書く・話す・聞くといったいずれの側面についても、「精」と「多」をバランスよく行うことが重要だとされていますが、SOLの読解教材は、「精読」と「多読」ができるという点で、読解力を養うのに理想的なものだと考えています。


それでは、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。


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