こんにちは。SOLの余語です。
昨年度は東日本大震災の影響があったためか、帰国生入試やAO入試の出願要項の公表が一部の大学で遅れるということがありましたが、今年度は例年通りのスケジュールで各大学のHPに掲載されたり、出願書類の取り寄せなどが始まったりしているようです。「帰国生大学入試について」では、これから今年度に実施される入試の要項をお知らせしていく予定で、今回はその1回目の記事として帰国生の間で大変な人気を博しているICU(国際基督教大学)教養学部の4月入学帰国生特別入試を取り上げたいと思います。
ICU教養学部の4月入学帰国生特別入試の出願条件は以下の通りです。
(1)外国の教育制度を採用する中学校・高校に2学年以上継続して在籍したこと
(2)高校卒業から大学入学までの期間が2年以内であること
(3)卒業した高校が採用している教育制度において大学入学資格を有していること
(4)TOEFL iBTやTOEIC、IELTSのスコアを提出できること
出願条件(3)は、例えばアメリカの教育制度を採用している高校を卒業した場合には、SATのReasoning TestやACTを受験していること、IB校ではIB Diplomaを取得していること(取得できたものがIB Certificateのみである場合には、アメリカの教育制度の高校を卒業した人と同様にSATなどを受験したこと)が出願資格を得るのに必要であることを意味します。ただし、出願期間までに大学入学資格取得のための統一試験のスコアを提出することができないオーストラリアやニュージランドの現地校に通う人は、その試験を受験する見込みであるという証明書を提出できれば出願資格が認められますし、日本の高校に編入したというケースでは、卒業見込み証明書が高校から発行されれば出願条件(3)を満たしたことになります。
また、(4)に関しては、TOEFLのITP、TOEICのIPのスコアの提出は認められていません。これに加えて、IELTSのスコアを提出するのであれば、それがAcademic Moduleのものに限定されていることや、成績証明書は全て大学に直送することが求められていることに注意してください(TOEICのスコアサーティフィケートについて、大学のHP上に日本の国際ビジネスコミュニケーション協会発行のものに限られるという記載がありますが、その他の団体が発行したものでも受理してもらえるケースがあるようです。この点でHPに記載の条件を満たすことができない人は、大学のアドミッションズセンターに直接問い合わせた方がいいと思います)。
合否の判定は、小論文試験、提出した英語運用能力試験のスコア、面接試験の結果を元に行われます。このうち、小論文試験では、参考資料となる文章がなく受験生が自らトピックを設定することを求める形式の問題が出題されることが何年か続きましたが、昨年度の入試では大学が自ら作成したと思われる文章が付いたものが出題されました。ただし、この文章は抽象的な内容で、問題に答えるには時事問題に関する知識が必要となる点では以前の入試で見られた問題と変わりありません。新聞や「朝日キーワード」のように時事的な話題についての情報をまとめたものを使って、日本や世界の各国で見られる社会問題に関しての知識を蓄積する形で、試験対策を進めることが必要となるでしょう。
出願手続き期間は8月13日から8月24日までですが、海外の高校を卒業した(もしくは、卒業見込みである)人は出願資格の有無を大学に確認してもらうために、7月13日までに所定の書類を大学に送付することが求められています。以下に、送らなければならない書類のリストへのリンクを貼っておきますので、受験予定の人に参考にしてもらえればと思います。なお、必要書類が間に合いそうにないと思われる場合も、出願を断念せずに大学に問い合わせてください。
【ICUの出願資格確認で必要とされる書類に関する情報】
http://subsite.icu.ac.jp/admissions/screening_system/return/april/oubo.pdf
それでは、次回は早稲田大学の帰国生入試の出願条件などについてお知らせします。なお、今回の記事の内容についてご質問などがある場合には、以下のフォームよりご連絡ください。
【お問い合わせフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/
2013年度4月入学者を対象とした入試の出願条件などについてvol.1 ―帰国生大学入試についてvol.94―
(2012年7月6日 18:15)