帰国生大学受験セミナー通信vol.4 ―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol.27―

(2012年7月27日 18:55)

こんにちは。SOLの余語です。
SOLの大学受験セミナーは今週で5週目に入り、夏休みに入った日本の高校に通う生徒が集団授業に参加するようになりました(現在のところ、1クラスの受講者数は最大で17名です)。今年の夏は大変暑い日が続いたかと思うと、涼しい日が2、3日あるというように天候が不規則に変化し、体調の維持が大変な状況であるにもかかわらず、これまで1人の生徒が2日休んだのみで、多くの生徒は自分の直面している課題を克服するために、夕方を過ぎても自習を続けています。


この自習時間における生徒共通の課題の一つが、添削済みの小論文答案の書き直しです。6・7月の受験準備を開始した時期においては、問題で与えられた文章内での筆者の主張に賛同し、その主張に合った具体例を挙げたり、主張の内容に対する補足的な説明を行ったりするという形で答案を作成することを僕らは勧めています。しかし、多くの生徒はこのような基本的な型で文章を書くことに関しても、例えば、筆者の主張を正確にできなかったり、自分なりに考察を深めるべきポイントで十分な説明ができなかったりといった問題を抱えるものです。また、表現力や日本語の語彙が足りないことが原因で、自分の考えを読み手に伝わるように表現できないということもありますし、社会問題や学問的な事項に関する知識不足のため、主張をサポートするのに適切な具体例を挙げることができないというケースもあります。


そのような問題を克服するには、次々と新たな課題に関する小論文を書いていくのではなく、答案に添削者が記したコメントの内容を踏まえて、小論文の書き直しを行うことが効果的です。このように考える背景には、日本語の表現や表記に関して修正されたものを自分で実際に書いてみることで正しいものが身に付くというこということもありますが、大学受験生ぐらいの年頃の人は答案に付けられた評点の方に目が行ってしまい、コメントの内容を十分に理解することに注力しないという傾向があるということも考えなければなりません。この点、小論文の書き直しをすることになると、添削者が問題だと考えていることを正確に把握する必要性が生じますので(それがなければ、このような作業を行うこと自体に意味がなくなってしまいます)、コメントの内容に関心を払うようになることを期待できます。


また、以前から述べているように、小論文を書く能力には、正しい形で実際に書く経験を蓄積することによって習得しやすい側面があります。特に、小論文を書き直す場面のように、教師から講義を受けたことで問題文の内容に関して一定の理解を持ち、他の人の書いた答案などを読むことで、何をどのように論じるべきかをある程度分かった段階で小論文を書くということは、学習者がよい文章を書くためのコツを把握するために重要な機会になるということは、これまで僕らが指導してきた生徒も証明してくれているところです。このようなことを考えて、僕らは今年の生徒にも小論文の書き直しを行うことを勧めていますし、提出が何回目かに関係なく、小論文答案の添削を行うようにしています。これに応えて、多くの生徒が自習時間で書き直しをしてくれているのを見るのは嬉しいものです。


それでは、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。


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