こんにちは。SOLの余語です。
「英語学習の勧め」では、 vol. 94から前回まで、to doという形の使い方や慣用表現を説明してきました。当然のことながら、そこで紹介した例文には全てto doが含まれていたわけですが、同時に使われる動詞によっては、動詞の元の形のものを用いることでto doと同じ役割を果たす場合があります。
例えば、帰国生や海外生の皆さんが英語で書かれた本などを読んでいる時に、以下のような文を見ることがあると思います。
I've never heard anybody say anything against her.
この文では、have heardとsayの2つの動詞が述語になれる形になっています。辞書でhearを調べると、hear (that) +文で「(文で表されている内容)を耳にした」という表現があるので、hearとanybodyの間にthatが省略されていると考える人もいるかもしれません。しかし、その場合は、anybodyがsomebodyなどになっているべきですし、sayもsaidになっていないと時間帯が合わないということになります。
hearのように感覚器官を通じて何かを認識したことを表す動詞を日本語では知覚動詞と呼んでいますが、文法のテキストなどでその用法についての部分を読むと、「知覚動詞+人・もの+元の形になった動詞」という形にすることで、最後にある元の形になった動詞がto doと同じ役割を果たし、「人・ものが何か(元の形になった動詞の表わす動作)をするのを認識する」という意味になるということが書かれています。上の例文もその用法に従ったもので、「hear(知覚動詞)+anybody(人・もの)+say(元の形になった動詞)」という構成になっており、「私は誰かが彼女の悪口を言うのを聞いたことがない」ということを表しているのです。
以下に、知覚動詞を使った例文と同じ構造になっている文をいくつか引用しておきますので、元の形になった動詞がto doと同じ働きをしており、上で述べたような意味になっていることを確認してみてください。
He felt something move beside him.
We saw the protesters walk across the street.
I watched her go out of the room without saying a word.
それでは、次回は、元の形になった動詞がto doと同じ役割を果たす別の場面を説明したいと思います。なお、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。
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to doをtoが付かない形で用いる場合についてvol.1 ―英語学習の勧めvol.112―
(2012年5月16日 16:45)