to doという形の用法を確認しましょうvol.9 ―英語学習の勧めvol.103―

(2012年1月20日 17:00)

こんにちは。SOLの余語です。
「英語学習の勧め」では、ここまでto doという形の基本的な使われ方を説明してきました。それは、動詞を名詞のように使うためのものや、人やものの役割などを示すもの、動作の目的や結果などを表すものであったわけですが、今回はそのようなto doの表す意味から離れて、その全てに共通する文法上のルールについて述べたいと思います。


「彼は腕利きの職人だそうだ」という日本語の文を英語にする時には、以下の3つの形にするのが一般的です。


They say that he is an artisan of inimitable skill.
It is said that he is an artisan of inimitable skill.
He is said to be an artisan of inimitable skill.



上の3つの文は全て、彼の現在の様子が噂になっていることを示すものになりますが、「彼は腕利きの職人だったそうだ」と彼の昔の様子について現在、噂になっているのはどのように表すのでしょうか。上の文で言えば、1つ目と2つ目は以下のようにすればいいというのは簡単に思いつくはずです。


They say that he was an artisan of inimitable skill.
It is said that he was an artisan of inimitable skill.



しかし、3つ目の文では、toの後は動詞の元の形を置かなければならないので、to was an artisan ~というようにはできないはずです。そこで、このようにto doで表される内容がそれ以外の部分よりも時系列的に前のものである場合には、have doneの形を使って、以下のような文を作ることになります。


He is said to have been an artisan of inimitable skill.


そして、このルールはto doで表したい内容が過去の出来事や状況で、それ以外の部分が現在のことである場合にのみ適用されるわけではありません。to doで表される事柄がそれ以外の部分より時系列的に前にあればよいのですから、以下のような文でもto have doneという形を使うことになります。各文についているカッコの中の英文は同じ意味のものですので、確認してみてください。


I'm sorry to have kept silence for a long time.
(=I'm sorry that I have kept silence for a long time.)


She seemed to have forgotten about turning out the gas.
(=It seemed that she had forgotten about turning out the gas. )



今回説明したto have doneの使い方は、正しく英文を読み書きするのに必要な不可欠な知識です。to doで表したいこととそれ以外の部分の内容が時間的にずれている場合には注意してください。


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