北半球の高校生の受験準備に関してvol.1 ―帰国生大学入試についてvol.140―

(2012年12月19日 16:15)

こんにちは。SOLの余語です。
「帰国生大学入試について」では、前回の記事まで日本の大学に4月入学する人を対象とした各大学の帰国生入試やAO入試の概要をお知らせしてきました。入試が2月後半にある国立大学でも多くの場合、1月前半に出願手続き期間が設けられているので、この点に関して今年度に行なわれるものも最終局面を迎えたと言えます。このシリーズでは今後、来年度の入試を受験しようと考えている北半球の高校に通う人が高校卒業まで半年あるこの時期に受験準備として何を行うべきなのかということを中心的な内容とし、折にふれていくつかの私立大学で実施される9月入学者のための入試の出願条件などに関するものを掲載したいと考えています。


さて、一口に「北半球の高校」と言っても、採用している教育制度は様々ですし、その中で高校を卒業したり大学に入学したりするのに必要な資格を得るために求められているものも異なります。例えば、アメリカ合衆国の教育制度の下で運営されている高校では、高校はそこで行なわれる授業において要件として定められている数の単位を取得できれば高校卒業資格を得られることが多いですが、SATやACTといった統一試験を受験しなければ大学入学資格を得られないのが一般的です。一方で、IB Diploma制度を採用する高校に在籍しこのコースで学ぶことを選択した場合には、Diploma取得に関する規定に従って6科目の授業などを受けた後に、それぞれの科目に関する最終試験の全てで一定以上の成績を修めることができれば、高校卒業や大学入学のための資格を取得することが可能になります。


また、これまでの記事において述べたように、入学を希望する大学や学部・学科、また受験を考えている入試制度によって、出願資格を得るのに高校を卒業していれば十分なのか、通っていた高校の教育制度での大学入学資格を取得していることが必要なのかという点について様々な条件が見られますし、TOEFL iBTやTOEIC、英検などの外国語運用能力試験のスコアや級に関するものが設定されている場合もあります(これらの試験の成績が合否判定に直接的な関連性を有しているということも少なくありません)。そして、海外での生活体験の蓄積や、学校生活の内外で何をどのように学んできたのかということによって、海外の高校に通っている人は学力に関する状況が多様で、それに合わせて取り組むべき学習課題も異なります。


このように海外生の置かれている環境などが様々であることなどを考えると、来年度に日本の大学を受験しようと考えている人が受験準備として現時点で何を行うべきかという問いは、ある程度個人ベースで考えないと答えることが難しいものです。次回は、その手始めに、大学入学資格を得るための試験として代表的なものであるSATの受験はどのような場合に必要なのかということを考えてみたいと思います。


それでは、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。


【お問い合わせフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/



トップへ戻る