帰国生大学受験セミナー通信vol.28 ―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol.54―

(2012年12月18日 19:50)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、SOLで教員と生徒の共用スペースを中心とした教室作りをしている目的が、小論文試験や面接試験で高い成果を上げるために必要な、自分の考えを明確な形で伝えることができるだけのコミュニケーション能力を習得するための機会をできるだけ多く確保することにあるということを述べました。このような空間設計は、これまでに僕らの授業を受講してくれた人は教師陣と会話しようという姿勢を見せてくれることが多く、それが一人一人の生徒の表現できる事柄の範囲が着実に広がっていくことにつながっていると実感するという経験の蓄積から生まれたものです。


「自分の考えを明確な形で伝えることができるだけのコミュニケーション能力」には様々な側面があり、他の人が自分の書いた文章を読んだ時に、読み手がどのような人でもそこで展開された主張が大きな誤差なく伝わるような表現や言葉遣いをできるようになるということ(完全に同じものが伝達できればよいのですが、それは読み手が皆、自分の主張に全面的な賛意を示してくれるような文章を書くのと同じ位の難題です)もその一つです。このような能力を自分のものにするためには、コミュケーションやふれてきた文章などに関して、自分とは異なる経験を持つ人々とできるだけ多く接する中で試行錯誤を積み重ねていくことが必要になります。それを考えると、生徒間の意思疎通が活発なものであることも受験準備を行う環境に求められるということになるでしょう(僕らも授業内外のコミュニケーションの中で上のような状況を再現することを心がけていますが、人間には時間や経験、そして能力的な限界があるものです)。


生徒同士がこのような緊密な関係を築くのにも、教師と生徒の共用スペースが一役買うことがあるようで、教室に通う人が全員そこで昼ごはんを食べたり休み時間を過ごしたりすることが可能になるだけの収容力があり、くつろいだ時間を他の生徒と一緒に過ごすことができるということが関係しているのだと思います。そして、周囲にいる人間がどのような人物かということを把握できないと自分から意思表示することを難しく感じる人や、コミュニケーションを開始するのに自分に親しみがあるトピックが他の人にも関心を持たれるものであるということの確認が必要だと考えている人(映画「ソーシャル・ネットワーク」によれば、アメリカの大学の寮にはそこに住む全ての人々の経歴や趣味、関心事などが記載されているデータベースが作成されているようですが、これは他人との共通項の存在がコミュニケーションを促進すると考えられていることの表れでしょう)にとって、自分以外の生徒が教師と話をする時間を共有できることがまわりに対する理解を深めたり、会話のきっかけを探ったりするよい機会になるという点で、このようなスペースが教室内に設けられていることは大きな意味を持っているようです。生徒の中に「SOLに来るまで、これほど盛んに教師や周りの人とコミュニケーションを取ったことはなかった」ということを伝えてくる人が少なからずいることがそれを証明してくれていると僕は考えています(僕の一人よがりな判断かもしれませんので、実際に生徒が感じていることをまとめたHPへのリンクを以下に貼っておきます)。


【SOL帰国生大学受験セミナー学生の声】
https://www.schoolofliteracy.com/seminar/students/index.html


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