こんにちは。SOLの余語です。
前回は、各地方や地域の中核的な教育機関であることを期待されている国立大学の多くで帰国生を対象とした特別入試を実施していることや、その首都圏での例として、これから出願手続き期間を迎える茨城大学人文学部の帰国子女入試の概要を取り上げました。このような入試制度の中で例年、受験生が比較的多いものとして埼玉大学教養学部や経済学部で行なわれる帰国子女入試がありますが、今回はその出願条件などをお知らせしたいと思います。
埼玉大学の帰国子女入試において出願資格を得るための条件としては、「日本国籍、もしくは永住権などを有していること」というものの他に、外国の教育制度を採用する海外の教育機関での在籍期間に関するものが設けられています。これについては、海外に滞在することになった理由や高校卒業から大学入学までの期間などで異なる、以下に示す4種類のものが設けられており、そのうちのいずれか1つを満たすことが求められます。
①保護者の転勤に伴って海外に滞在することになった場合、最終学年を含めて1学年以上継続して在籍し、2012年4月1日から2013年3月31日の間に通常の12学年の学校教育課程を修了していること
②海外に滞在することになった理由に関係なく、最終学年を含めて2学年以上継続して在籍し、2011年4月1日から2013年3月31日の間に通常の12学年の学校教育課程を修了していること
③海外に滞在することになった理由に関係なく、最終学年を含めて3学年以上継続して在籍し、2010年4月1日から2013年3月31日の間に通常の12学年の学校教育課程を修了していること
④海外に滞在することになった理由に関係なく、2学年以上継続して在籍し、日本の高校に編入した上で、2012年4月1日から2013年3月31日の間に卒業していること
なお、最後の④のケースでは、日本の高校の在籍期間は1年以内でないと出願が認められないことに注意してください。
合格者の選考は、書類審査や小論文試験、面接試験の結果に基づいて行われます。この大学の帰国生入試の面接試験は配点が大きいために合否に強い関連性を持っています(その上、経済学部の場合、自己アピールを行なうのが難しいと感じる人の多い集団面接の形式で行われます)。これを考えると、事前の準備として自分の海外での体験を振り返り、その中での特筆すべきエピソードや滞在国の社会状況の特徴などをまとめておいたり、自分の志望理由や大学で学びたいことを面接官にうまく伝えられるよう予期される質問に対する答えを練り上げたりといった面接試験に対する準備を充実したものにすることが必要です。受験を考えている人にとっては、自分が入試対策の学習をしている環境で、小論文の授業を担当している教師とこのような取り組みを進められることが理想的であると思われます。
この入試制度における出願手続き期間は来年の1月21日から28日となります。作成に時間のかかる書類はありませんが(志望理由などの説明にも2,3行のスペースしか与えられません)、現地の学校から発行してもらう書類に不備があることも考えられますので、なるべく早く準備作業に取りかかるようにしてください。
それでは、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。
【お問い合わせフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/
2013年度4月入学者を対象とした入試の出願条件などについてvol.40 ―帰国生大学入試についてvol.139―
(2012年12月17日 16:05)