2013年度4月入学者を対象とした入試の出願条件などについてvol.39 ―帰国生大学入試についてvol.138―

(2012年12月12日 15:35)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、東京学芸大学のような、東京にある各学問分野の研究において主導的な役割を担っているとされる国立大学にも帰国生を対象とした入試制度が設けられていることをお知らせしました。国立大学はこの他にも各地方・地域の中核的な教育機関として設立されているものが多くあり、その中には名古屋大学のように帰国生入試を廃止したり、元々そのような制度がなかったりするところもありますが、北海道大学や京都大学、大阪大学などの主要な大学では帰国生の受け入れを一般入試とは異なる形で行っています。


首都圏でもその点は同様で、以前にお知らせした横浜国立大学や千葉大学、宇都宮大学などで帰国生入試を実施していますが、今回はその一例として、これから出願手続き期間を迎える茨城大学人文学科の帰国子女入試における概要を取り上げたいと思います。まず、この入試制度で出願資格を得るために満たすことが求められている条件は以下の通りです。


①日本国籍、または永住権を有していること
②外国の教育制度を採用する海外の教育機関に最終学年を含む2学年以上継続して在籍し、2011年4月から2013年3月までの間に修了していること
③出願手続きの締切日から遡って2年以内にTOEFL iBTで45点以上、もしくはTOEICで450点以上を取得していること



このような地方の国立大学では広く見られることですが、この入試における筆記試験は小論文試験のみで、その結果に面接試験での評価を合わせて合否の判定が行われます。日本の大学の帰国生入試では筆記試験として外国語試験を課す場合、それは英語試験に限定されることが多く(その他の外国語を選べるとしてもドイツ語やフランス語しか選択肢がないということもあります)、中国の現地校で現地の人と同様の教育を受けてきたという人などにはそれが不利に働くことがあります。そのため、そのようなケースでは、小論文試験や面接試験の対策に力を入れて、これらの国立大学での勝負にかけるという受験準備の方向性が考えられます。


来年度に日本の大学を受験する予定の海外生の中で、筆記試験が小論文試験のみの大学の受験に集中しようという人は、この時期から読書などの自分の関心のある学問分野に親しみを持ち、同時に文章読解力を向上させることのできる取り組みを始めることが重要ですし、面接試験での受け答えの内容を豊かなものにするために、滞在している国や地域の社会の在り方や人々の価値観を把握できるような形で生活体験を蓄積するように心がけることが必要になると考えてください。


なお、この大学の帰国子女入試の出願手続き期間は来年の1月28日から2月6日までとなります。受験予定の人は、TOEFL iBTのスコアレポートの直送が求められていますので、なるべく早く準備に取りかかるようにしましょう(昨年度に引き続き、今年度もTOEFLの公式ホームページに記載されている「4~6週間」では送付先に到着しないことが多々あるようです)。


それでは、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。


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