こんにちは。SOLの余語です。
「帰国生大学入試について」のvol. 126では、東京大学で実施される外国学校卒業学生を対象とした特別選考の出願条件などをお知らせしました。この入試は2月の後半から3月にかけて筆記試験や面接試験があるものですが、同じ時期に社会科学系の学部が充実していて帰国生の間でも人気の高い一橋大学も外国学校出身者入試を実施します。今回は、その概要を取り上げたいと思います。
この入試制度において出願資格を得るには、「日本国籍、または永住権を有していること」というものに加えて、以下の3つの条件を満たすことが求められます。
・通常の12年の学校教育課程を2012年4月1日から2013年3月31日までの間に修了していること
・外国の教育制度を採用する海外の高校に最終学年を含めて2学年以上在籍し、卒業していること
・保護者の海外勤務に伴って海外に渡航したこと
なお、3つ目の条件に関しては、2006年10月1日以前から海外の教育機関に単身で留学をしている人には適用されず、海外への渡航理由が保護者の海外勤務でなくても出願資格が認められます(中学1年生ぐらいの年頃で留学していることになりますので、該当者はほとんどいないと思われますが)。
合格者の選考は、第1次選抜(書類審査・筆記試験)、そして第1次選抜に合格した人が受験できる第2次選抜(面接試験)の結果に基づいて行われます。筆記試験は小論文試験や外国語試験(英語、ドイツ語、フランス語から1つを選択)で構成されていますが、このうち小論文試験は与えられる問題文が長く、多くの年度で内容が難解なものが出題されます。受験を考えている人は、社会科学系の学者が書いている新書などをできるだけ多く読むことで、そこで用いられることの多い語彙や概念で意味を理解できるものの数を増やしておくことが求められますし、新聞などで抽象的な文を読むときの足掛かりにするための社会問題に関する知識を蓄積するように心がけるべきです。
また、外国語試験では、一般入試と同じ問題が出題されるため、英語に関しては「赤本」を購入すれば過去問を入手することができます。英語試験の出題形式は和訳問題を含む長文読解問題やエッセー、リスニングなど多岐に渡り、この試験の成績が合否を決めてしまうというケースもあります(特に、小論文試験の問題文が難解なものである年度ではこのような傾向が見られます)ので、過去問を解くことを中心に、文法事項の理解を深めたり、単語やイディオムなどで自在に使いこなせるものの量を増やしていったりするといった形で受験対策を行うべきです。
この入試制度の出願期間は12月5日から10日までとなります。学校の成績や在籍期間に関する書類などが日本語以外の言語で作成されている場合には日本語訳を添付しなければなりませんし、大学入学資格取得のための統一試験などを受験している人はその成績証明書類を送付する必要がありますので、出願に向けた準備にはなるべく早く取りかかるべきでしょう。
【一橋大学外国学校出身者入試要項】
https://www.hit-u.ac.jp/admission/pdf/kikoku25.pdf
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2013年度4月入学者を対象とした入試の出願条件などについてvol.37 ―帰国生大学入試についてvol.133―
(2012年11月23日 10:50)