ifで始まる部分がない仮定法の文についてvol.4 ―英語学習の勧めvol.86―

(2011年8月9日 9:25)

こんにちは。SOLの余語です。
ここまで仮定法という表現の用法を説明してきましたが、その始めの方で仮定法には基本となる文型があるということを述べました。それについては「英語学習の勧め」のvol. 75からvol. 78を参照してもらえればと思いますが、この基本形となる文型からはifという語を省略することが可能です。

仮定法の基本形となる文からifという語を省略したものでは、次に示す例文が典型的な形をしています。

Were it all true, it would still not excuse their actions.

この文はもともと始めにifが置かれ、前半部がIf it were all trueという形でしたが、そこからifが省略され、主語(it)と述語(were)の語順が逆転しています。このように、仮定法の基本形になる文からifを省略すると、条件を示す部分の主語と述語の位置が逆転するというのが文法上のルールです。辞書からいくつか例文を引用しておきますので、この点を確認してください。

Were it not for your help, I would not try it again.
Had it hit the Earth, it would have made a crater 100 miles in diameter.
Should the company draw the level of bidding anticipated by its owners, the offer of sale could also be withdrawn.


エッセイなどを書いている時に今回紹介したような文型を実際に使うという機会はそれほどないかと思いますが、英語で書かれた本などを読んでいると目にすることはあります。その中には、以下のように、仮定の条件を示す部分と帰結を示す部分が逆転しているものがありますが、それには注意が必要です。

Arrows would continue to fly forward forever were it not for gravity.

今回の記事は仮定法に関するものですので、これが2つの文で構成されており、本来であればforeverとwereの間にifが置かれて、itとwereの位置が逆転しているはずということがわかるでしょうが、文章の中にこの文が置かれている場合に、主語と述語が1つずつ存在する1つの文であると考える人は少なくないと思います。このような観点からこの文の構造を考えると、何が全体の述語になるのかがわからなくなり、混乱するだけですが、今回説明したような文法上の知識が頭に入っていれば、正しい文構造を把握できるはずです。このようなルールを細かいものだと決め付けず、記憶の中にとどめておくことが、英文読解に取り組む際には重要だと言えるでしょう。

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