こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では仮定法がよく用いられる文として、It is timeで始まる「~する時間だ」ということを示すものを紹介しました。この文には、以前に紹介した仮定法の基本形となる文と異なり、ifが用いられていませんでしたが、このような文は他にもあります。今回はそれを確認しましょう。
ifで始まる部分を持たない仮定法の文で、帰国生や海外生の人が目にする機会が多いのは、wishを使った次のような文でしょう。
I wish I could assure her of her abilities.
この文のwish以下は、canの過去形であるcouldを使っているので、過去の事柄についてのものに見えますが、そうではありません。これは、「彼女に自分の才能について自信を持たせることができたらなぁ」という現在の願望を語ったものですが、実際には自信を持たすことができていないので、現在の事実に反する仮定を述べる形(仮定法過去)になっているのです。したがって、過去のことに関する願望は以下のように、仮定過去完了をもって表すことになります。
I wish now that I had handled things differently.
しかし、ifが用いられていない仮定法の文はこれだけではありません。英語で書かれた本などを読んでいると、そのような文を目にする機会は多くあります。それは、例えば、otherwiseを使った次の文のようなものです。
He worked hard; otherwise he would have failed.
otherwiseという語は、「その他の場合には」というような意味だけでなく、「もし~でなければ」という否定的な仮定を導く際にも用いられるものです。上の文では、otherwiseが後者の意味で使われており、「前で述べた『彼は熱心に働いた』という過去の事実に反するような状況だったら」という仮定を示しています。よって、その後は仮定法過去の形にすることになりますし、この文を読むことで、彼が懸命に働いたことで成功したというのが事実だとわかるわけです。
このように、ifで始まる部分のない仮定法の文というのは他にもあります。次回は、引き続き、どのような形のものがあるのかを説明したいと思います。なお、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。
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ifで始まる条件を示す部分がない仮定法の文についてvol.1 ―英語学習の勧めvol.83―
(2011年7月8日 12:05)