仮定法の基本的な文構造を確認しましょうvol.4 ―英語学習の勧めvol.78―

(2011年6月19日 14:55)

こんにちは。SOLの余語です。
「英語学習の勧め」では、vol. 75vol. 76vol. 77の3回にわたって、仮定法(the subjunctive mood)の中で、最も基本的な型について確認してきましたが、始めに述べた通り、この表現は日本語では意識されにくいもので、日本語を母語にする人にとっては学習の必要性が高いものです。また最も基本的な型が最もよく使われるものですので、今回はここまで説明してきたことをまとめておきたいと思います。

まず、仮定法の特徴の中で最も重要だと考えられるのは、これが事実(もしくは、事実だと考えられていること)に反する仮定を述べる場合にのみ使うことができるということです。日本語では、事実として存在していない将来のことに関する仮定も、過去や現在に生じた状況に反する仮定と同様に、言語化して他人に伝える時には全て「もし~だったら」という形にしてしまうことが多いものです。

しかし、英語ではこの2つの仮定を別のものとして扱うため、それぞれに異なる型が用意されています。そして、仮定法は、過去や現在の事実に反する「もし~だったら」のみを表すという役割を与えられているのです。したがって、例えば、最近日本でベストセラーになった「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という本の題名は、女子マネージャーはたいてい、ドラッカーなんて読まないだろうという書き手の想定を伝えたい場合にのみ、仮定法で英訳できるということになります。

そして、もう一つ特徴的なのが、基本的な構文です。それは、一般的に以下のような形になります。

If 主語+動詞 ~, 主語+助動詞の過去形(would、could、might、should)+動詞 ….

そして、その仮定が現在の事実に反しているか、過去の事実に反しているかで、述語部の動詞が過去形になったり、過去完了形になったりと、示そうとしている時間帯よりも時系列的に一つ前の時制の形になります。この点は、現在の事実についての仮定を「もし~だったら」と過去を表す形で述べる日本語に似ている点であり、過去形なら現在のこと、過去完了形なら過去のことを述べたいのだという点に注意しましょう。

それでは、次回からは仮定法の基本形以外の表現について説明します。なお、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。

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