仮定法の基本的な文構造を確認しましょうvol.2 ―英語学習の勧めvol.76―

(2011年6月16日 14:35)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、現在、事実として存在する状況に反するような仮定をするための仮定法過去という表現では、基本的にどのような型を取ることになるのかということを説明しました。今回は、過去の事実に反するような仮定をする際の基本的な構文について確認したいと思います。

さて、前回の記事では、現在の状況に反する仮定は、その文の述語となる動詞を過去形にすることで表すということを述べました。時間の流れという視点からは、現在から過去のある時点の行為などを表すものへと一つ後退したということになります。このように考えると、過去の事実に反するような仮定をする場合には、述語となる動詞を過去形のさらに過去を表すものにすればよいということになります。それはどのような形でしょうか。辞書から引用した以下の文で確認しましょう。

If he hadn't felt downcast, it would have been an enjoyable party.

まず、ifで始まる条件を表す部分は、以前にも紹介した、過去形で表すことのできる出来事のさらに過去の時間帯を指し示す過去完了形の形にすればいいでしょう。また、仮定の帰結を表す部分には、wouldやcould、might、shouldといった過去形になった助動詞が置かれることを前回述べましたが、それにhave doneの形になった動詞を付けることで、「過去のさらに過去」を表すことができます。過去の事実に反する仮定を表す文では、このような助動詞の性質を用いることによって、上で述べた条件を満たすのです。

このように、「もし…だったら」の部分に過去完了形、「~なのに」の部分に助動詞+have doneの形を用いる点だけが、前回説明した現在の事実に反する仮定を示す表現と異なりますが、後は全て同じです。基本となるルールは同じであることや、今回紹介した表現に特有の特徴を次に示す例文で確認してみましょう。

The book would have never been written if the editor hadn't urged the writer on.
If I had had enough money at that time, I could have bought that house.
If she had not been accompanying him, he might have stayed there a little longer.


なお、過去完了形になった動詞を述語部に置くことから、この過去の事実に反する仮定を示す構文は、日本語の英文法のテキストで仮定法過去完了と呼ばれますが、実際には過去のある時点についての仮定を示す表現であることに注意してください(この点は、仮定法過去についても同様です。「過去」となっていますが、現在についての仮定を表しています)。

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