こんにちは。SOLの余語です。
日本語では、ある行為の対象を主語にする受身の文を作る時、述語部を「~される」という形にしますが、英語の場合、be doneという形にします。この文型は、帰国生や海外生にとって日常的なもののはずですし、前回までで説明した完了形と異なり、日本語で意識されていないものではないので、容易に理解できる文法事項だと思います。
ただし、この受身の表現に関して、英文を書く時に誤った表現を用いてしまっているのを目にすることがありますし、TOEICなどの文法問題で正しい選択肢を選ぶことができないことがあります。それは、例えば、以下のような文を受身の形にしようとする場合に起こるものです。
They laughed at me for being so foolish.
この文を「私」を主語としたものにする時に、上で説明した型に当てはめて、述語部をbe laughedという形にしようと、多くの人は考えるでしょう。しかし、次のような受身の文は正しいものではありません。
I was laughed by them for being so foolish.
laughという動詞は自動詞というカテゴリーに分類されるものです。このカテゴリーに入る動詞に関しては以前に説明しましたが、動作の対象になる語がなくても文が成立するものです。それは、go、walk、riseやcry、talkといった語を連想してもらえれば理解できると思います。
そして、上のような自動詞を用いて動作の対象になる語を入れた文を作る場合には、in、on、at、with、from、toなどの前置詞(preposition)をセットにしなければなりません。この前置詞と自動詞を一緒に用いることで、受身の文を作ることのできる他動詞(動作の対象になる語を必ず伴うもの)と同じ役割を果たすことになるのです。たとえば、以下の2つの文のlooked atとsawは文中で同じ役割を果たしています。
I looked at the brightest star in the sky.
I saw many sheep in the pasture.
よって、laughもatが続くことで、「笑う」ではなく「~を笑う」という意味で使うことができるようになるものであり、受身の文でもこの2つの語を一緒にしなければなりません。
I was laughed at by them for being so foolish.
このような細かい点は、英文法の学習をする際に見逃されることが多いですが、正しい文を書くのには必要不可欠なものです。今回の例文と同じようなものを辞書から引用しておきますので、自動詞が前置詞を伴っていることを確認しておきましょう。
He was spoken to in a strange language.
She was given up on by her own flesh and blood.
I was within an inch of being run over by a truck.
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受身の表現の注意点を確認しておきましょうvol.1 ―英語学習の勧めvol.64―
(2011年5月24日 12:00)