大学入試に向けた英語の学習について ―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol.13―

(2011年5月13日 14:55)

こんにちは。SOLの余語です。
「英語学習の勧め」ではvol. 63で、TOEFL iBTやTOEICの受験の必要性や、学習目標として出願条件に定められているものより高いスコアを設定する必要があることを説明しました。日本の大学に帰国生入試を受験して入学することを考えている人は、学習目標の設定や英語運用能力の向上にできるだけ早くから取り組み、卒業後の受験準備を不安のない形で行うことができるようにしておくのが望ましいと考えています。

大学入試に向けた英語学習を行うにあたって注意すべきことはいくつかありますが、そのうちの一つは、英語(だけでなく、全ての言語に当てはまることですが)運用能力の向上には、長い学習期間が必要だということです。ある言語を不自由なく使えるようになるには膨大な知識量が必要となりますし、帰国生や海外生が一般的に母語としている日本語と英語には文構造や時制についての考え方など、多くの違いがあることを考えると、短期間の学習で得たものが運用能力の向上に直結するとは限りません。「あきらめず、毎日コツコツと」という姿勢を持つことが重要だと言えるでしょう。

また、これまでどのような形で英語を使ってきたのかということや、一人ひとりの言語的な能力やセンスによって、英語学習における課題も様々であるということにも注意が必要です。例えば、人と会話をするという形で主に英語を使ってきたという人は、文法に対する意識が希薄で、複雑な構造を持つ文を読む際に、自分の知っている単語や表現を「拾い読み」するという傾向が見られますし、文法や単語、表現に関する知識が足りなかったり、偏っていたりするという人も多くいます。この他にも、英語に関する知識は豊富であるのに英文を読み書きするスピードが遅いため、英語の学習に日ごろから取り組んでいるにもかかわらず、TOEFL iBTやTOEICでのスコアが向上していかない、というケースもあると思います。

このような課題は、単に知識が足りないということであれば、学習者本人にも簡単に認識できることでしょう。しかし、知識に偏りがあったり、文法事項に対する理解が歪んだものになってしまったりしている場合には、周りで使われている英語の影響が大きいこともあって(複雑な話ですが、文法的に正しいとされる形とは異なる英語の使い方をするネイティブは確実に存在します)、そのような課題を克服すべきという考えには、一人では至らないはずです。また、上で述べたような英文の処理速度を向上させるのに必要な学習は何であるのかについて、答えを一人で見つけるのは難しいと考える人がいても、何もおかしいことはありません。

英語の学習はある程度の地点からは一人で行うことが可能ですが、そこに至るまでには(もしくは、スタート地点を確認するには)、学習の過程についての一定の理解を持っている他者のサポートが必要となります。来年以降の受験を考えている人は、自分の現状を把握し、そこから向上するための筋道を知るために、他の人と英語の学習に取り組む機会をなるべく早く持つようにしてください。

なお、SOLでは、受験学年以外の学年の人を対象とした講習会を夏休みの時期に行う予定です。日程などが決まり次第、HPやこのブログで詳細をお知らせしますが、授業の中心は、昨年と同様に、英語で書かれた、大学で学ぶ学問に関連した内容の長文読解を通じた文法事項の確認になります。帰国生大学入試の受験に向けた準備の第一歩として、多くの帰国生や海外生の人に、この機会を活用してもらえればと思います。

それでは、英語の学習やSOL大学受験セミナーなどについて質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。

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