現在完了形(the present perfect)の用法を確認しましょうvol.3 ―英語学習の勧めvol.52―

(2011年4月7日 15:14)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、現在完了形の用法に、「これまでに何かをした経験がある」という現在の状態を表すというものがあることを説明しましたが、この時制表現の用法には他のものもあります。今回は、そのうちの一つである「完了用法」について述べたいと思います。

この用法についての理解を深めるためには、以下の2つの例文の意味の違いを考えるのがいいでしょう。

He went to Tokyo as an international student of Waseda University.
He has gone to Tokyo as an international student of Waseda University.

これらの文は、述語の部分の形が異なるのみで、それぞれ、He goes to Tokyo as an international student of Waseda University.という文の過去形と現在完了形になっています。このうち、上の過去形の文は、「彼」が過去のある時点や一定の期間に早稲田大学の留学生として東京に行ったという過去の行動を表しており、彼が現在何をしているかということについての情報は含んでいません。

一方、下の現在完了形になっている文は、過去の行動に関する情報のみを表しているわけではありません。この文は、「彼は早稲田大学の留学生として東京に行った」という日本語に訳されることが多いですが、これに加えて「そして、現在もここには帰って来ていない」という現在の彼の状況にも言及しているのです。つまり、「彼は早稲田大学の留学生として東京に行ったままである」という現在の状態を表すものだと言えるでしょう。

この点は、次に挙げる2つの文の意味を比較してみることによって、より明確なものになります。

He learned how to speak English.
He has learned how to speak English.

この2つの文の場合、上の過去形の文は「彼」が英語のスピーキングのレッスンを受けていたことを表すのみですが、下の現在完了形を使ったものは、「彼」がレッスンを受けただけでなく、その結果、現時点で英語を話すことができる(どの程度かは不明ですが)ということも表しているのです。よって、これも「彼は英語の話し方を学んで、今、話すことができる」という現在の状態についての文だと言えるでしょう。

前回、「経験用法」について解説した時にも述べましたが、現在完了形は過去の行動や状態を表すというよりは、「何かをしたことがある」、「何かをした結果、今、ある状態にある」という現在の状態を伝えるためのものです。以下に、現在完了形の「完了用法」を使った文をいくつか辞書から引用しておきますので、この点について確認してみてください。

You have missed too many classes to get a credit.
I appreciate what you have done for me.
The rice cake has burnt onto the mesh and it won't come off.

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