こんにちは。SOLの余語です。
ここまで現在完了形や過去完了形の用法を詳しく説明してきましたが、完了形にはさらに未来完了形(the future perfect)というものが存在します。今回は、その用法について説明したいと思います。
未来完了形では、現在完了形のhave doneという部分が、その文で表現されようとしている行為や状態が未来のものであることを表すwillという語を伴って、will have doneという形になります。そして、以下のような文が未来完了形を用いた文の典型的なものだと言えるでしょう。
When he comes back home this evening, I will have finished reading the book.
この文では、まず「彼が、今日の夕方に帰宅する時」という未来のある時点が示され(when以下がI will have …の文にかかっていますが、こうした場合は未来のことであっても現在形で示します)、それに未来完了形を使った文が続き、「私はその本を読み終わっているだろう」ということを示しています。コンマで区切られた2つの文にはどのような関連性があるのでしょうか。
未来完了形は、これまでの表現を用いると、現在完了形の「未来形」です。つまり、現在から未来のある時点までの間のどこかで何かをしたり、ある状態が生じたりしたことを表していますし、それに加えて、その未来のある時点である行為や状態を経験した状態、もしくはそれらが完了している状態、まだ継続している状態を表しています。現在完了形の用法の説明をした「英語学習の勧め」vol. 51からvol. 53の「現在」、「現時点」という部分を「未来のある一つの時点」に置き換えたものが、そのまま未来完了形の用法になるというわけです。
よって、上の2つの文には、「彼が今日の夕方に帰宅する時(という未来の一時点)には、その本を読み終わっていることでしょう。」という、未来完了法の完了用法としてのつながりがあると考えられます。以下に、未来完了形の他の用法のものを含め、いくつか例文を辞書から引用しておきますので、上で述べた点を確認してみてください。
They will have attained that level by about the year 2020.
The time may come when people will have used up all the oil.
I'll have climbed Mt. Fuji three times if I climb it next month.
Next Monday he will have been here for five years.
Next year, I will have had this car for ten years.
このように、過去完了形や未来完了形は、それぞれ現在完了形(現在を基準にしたもの)の「過去形(過去のある時点を基準にしたもの)」、「未来形(未来のある時点を基準にしたもの)」であると言うことができます。このような形でvol. 58から説明した2つの時制表現を考える時には、現在完了形の用法に対する理解が必要不可欠ということになりますので、文法のテキストやこのブログに書かれている説明を読んで、現在完了形の用法を十分に理解するための機会を持ってもらえればと思います。
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未来完了形(the future perfect)の用法を確認しましょう ―英語学習の勧めvol.60―
(2011年4月27日 14:10)