こんにちは。SOLの余語です。
日本の大学の帰国生入試を受験する人は、そろそろ志望する大学や学部を考え始めた時期だと思いますが、入試要項が5月の連休明けから大学のHPなどで公開されるのが通常です。ただし、早稲田大学や慶応義塾大学で昨年度の入試からの変更点が既に発表されていますので、今回はその内容をお知らせしたいと思います。
○早稲田大学政治経済学部の試験科目の変更について
早稲田大学政治経済学部の帰国生入試はこれまで、「英語、国語、数学(文系)」を試験科目としてきました。文系のものとは言え数学が入っていることで、理系の学部を目指して数学を本格的に学んできた人に有利な試験となり、彼らの「滑り止め」とされてきたようですが、2012年度入試(2012年度に入学する人のための入試ということです)からは、「英語、国語、数学(文系)又は小論文B」となりました。「英語、国語、小論文」という科目構成で受験できることになったので、数学試験の準備に十分な時間を割くことのできない文系の受験生にも合格の可能性が出てきたと思われます。
一方、これまで文系の受験生にとって政治経済学部に入学するための重要な試験であったAO入試にも変更があります。昨年度まではAO入試に試験自体は同じものの、「一般」と「帰国生」の2種類がありましたが、今年度からは「総合選抜」というカテゴリーにこれらが統合されました。また、試験科目としては長文を読んで説明問題に答える「論文英語」、「論文日本語」の2科目があったところを、学科試験は日本語による「論文」のみになり、これに事前に提出するTOEFLのスコアを合わせて合否を判定することになったようです。
AO入試に関する今回の変更で、合否判定に日本の高校生が高いスコアを取ることが難しいTOEFLのスコアが入ったことは、帰国生に追い風になっているように見えます。しかし、帰国生入試で文系受験生が合格しやすくなったことを考えると、これが正しい推論であるかどうかは今年度の受験結果を見ないとわからないところです。
○慶應義塾大学帰国生入試の変更点について
慶應義塾大学の帰国生入試は書類審査と面接試験で構成されています(試験会場で小論文を書く時間がありますが、合否に直接的な関係はありません)。書類審査については高校の成績証明書や在籍証明書、SATやIBといった統一試験のスコアを証明する書類などを事前に提出しなければなりませんが、文学部の受験生で英語圏の国や州の教育制度(IBもこれに含まれています)の高校に通う人は、上で述べた書類に加えて、TOEFL iBTのスコアの提出が求められることになりました。
また、SATの受験期間に関する条件(例年よりも受験が可能な期間が短縮されています)や、カナダのブリティシュ・コロンビア州の教育制度の高校に通う人の出願条件に細かい変更があります。以下に、大学のHPへのリンクを貼っておきますので、これらの条件に該当する人は確認してください。
【慶應義塾大学 出願条件の変更に関するHP】
https://www.admissions.keio.ac.jp/exam/change_2012.html#20101006e
それでは、今回の内容についてご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。
【お問合せフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/
2012年度帰国生入試の出願条件などに関してvol.1 ―帰国生大学入試についてvol.21―
(2011年4月20日 16:27)