こんにちは。SOLの余語です。
前回は、日本語で完了形が表す時間帯には特別な時制表現が設けられていないことから、その用法について学習することが必要であるということを述べました。そして、記事の最後で、以下の2つの例文を挙げました。
He studied English grammar very hard.
He has studied English grammar very hard.
この2つの文のうち、上のものはstudyという動詞を過去形にして用いていますが、過去形の文にはyesterdayといった過去の一つの時点や、when I was a junior high school studentというように過去のある期間を表す表現が組み合わされるのを目にすることが多いと思います。このような語句が過去形の文を合わせて用いられるのは、それが過去のある時点や期間における人やものの行為や動作、状態を表すための表現であることが理由です。
一方、2つ目の文は完了形のうち、現在完了形(the present perfect)の形になった動詞(have + done、gone、taken、eatenなどの過去分詞の形にした動詞)を用いたものです。この文は、時間を表す表現が続く場合に、以下のような形をとっていることが多いと思います。
He has studied English grammar very hard since he failed in the last examination.(もしくはsince ~をbeforeにする)
このように、現在完了形には行動や動作を始めたり、ある状態が生じたりした時点を表すのに加えて、それが現在まで継続していた(もしくは、継続している)ことを示す語句や表現、もしくは現在から見た過去を漠然と表す表現が続きます。つまり、現在完了形の文に時間帯を表す表現が加わる場合には、現在と何らかの関連性のあるものでなければならないということです。
これは、現在完了形の本質的な意味とつながりがあります。それは、「現在よりも前に何かをしたことがある(または、それを引き続き行っている)」ということです。現在完了形という時制表現は、過去形と異なり、現在の時点との関り合いの中で過去に行ったことを説明したり、過去から現在まで何かを継続的に行っていることを説明したりするためのものであるために、過去の一時点や現在とつながっていない期間を表す語句や表現とは一緒に用いることができないわけです。
日本語では、英語では現在完了形を用いる時間帯も、過去を表す表現で表す場合が多くあります。このため、日本語を母語とする人には過去形と現在完了形の区別が理解しにくいものになるわけです。次回から、現在完了形の用法をより明確に理解するための手助けとして、もう少し詳しい説明をしたいと思います。
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現在完了形(the present perfect)の用法を確認しましょうvol.1 ―英語学習の勧めvol.50―
(2011年3月4日 14:26)