現在完了形(the present perfect)の用法を確認しましょうvol.2 ―英語学習の勧めvol.51―

(2011年3月11日 17:00)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、現在完了形(the present perfect)という時制表現が基本的に「現在よりも前に何かをしたことがある(または、それを引き続き行っている)」ということを表すためにあると述べました。しかし、このような基本的な用法だけでは理解しづらいところがあると思いますので、今回からは現在完了形の用法について、例文を用いながら説明していきます。

さて、現在完了形を使った文というと、以下のようなものが一つの典型的なものだと言えるでしょう。

I have been to the town where he was born three times.

現在完了形の文では、上のように回数を表す表現(three times、「3回」)や、beforeやso far、neverといった「これまで」という時間帯を意識させるものが置かれるということがよくあります。そのような場合、この時制表現は、主語の位置に置かれた人やものにはこれまでに何かをした経験が現在の時点であるということを表します。ですので、上の文は、「私」には「彼」が生まれた土地に行ったことが、現在の時点で3回あるということを表すことになるのです。

現在完了形のこの用法を、日本の文法のテキストには「経験用法」と呼ぶものがありますが、現在との関連性の有無という点で、現在完了形で示すことのできる時間帯が、過去形で表すことのできる時間帯とは異なるという前回の記事で述べた内容を最もよく表しているのがこの用法だと思います。この表現を使う時に、話し手は過去の行動や状況を説明しようとしているのではなく、文の主語となる人やものの現在の状態(「何かをした経験がある」という状態)を説明しようとしているわけです。

前回の記事では、yesterdayやon the morning of April 26th(このように、ある日付を表す語句がつく場合には、the morningはinではなくonが一緒に使われることにも注意すべきです)、in the 1990sといった過去の一つの時点やある一定の期間を表す表現を現在完了形の文の中で用いることはないと述べました。これも、上で述べた現在完了形の意味を考えてもらうと、2つの時点の行動や状況を表すということになってしまい、その文が内容的に混乱したものになってしまう(「今、4月26日の朝に何かをした経験がある」という文は日本語でもおかしいですよね)という形で理解しやすいものになるはずです。

以下に、現在完了形をこのような形で用いた例文を辞書からいくつか引用しておきますが、「何かをした経験がある」という現在の状態を表そうとしていることを確認してみてください。

Haven't I seen you somewhere before?
The singer has released seven albums so far.
Roeanne Barr has appeared on that TV show several times.

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