こんにちは。SOLの余語です。
前回は、文法について解説する時に使うことが避けられない、必要最低限の文法用語について解説しましたが、これから英語の文章を読んだり書いたりするにあたって理解しておいた方がいい文法事項を説明していきます。今回の記事では、その第一回目として、文の構造の基本的な性質について述べようと思います。
日本語で書かれた英文法についてのテキストを開いて、文の構造について説明する部分を見ると、SVやSVO、SVOCといった記号が並んでいます。この部分を読んで、文法の学習が嫌いになったという帰国生や海外生は多くいますが、テキストの筆者が述べようとしている重要な点の一つは「1つの文で主語や述語になる言葉は、原則的に1つずつしかない」ということです。
日本語の文で「僕は日本語の文章を読む、書く。」というのが正しくなく、「僕は日本語の文章を読んだり、書いたりする。」というのが正しいとされるのと同様に、英語の文でもandやbutといった接続語がないのであれば、1つの文には主語になる名詞と述語になる動詞を1つずつしか入れることができません(時に、2つの動詞がカンマを挟んで並んでいることがありますが、その場合、「, and+3つ目の動詞」が続いていることが多いはずです)。ですので、次のような文は誤りということになります。
I have a good breakfast, read a newspaper from front to back every morning.
(この場合、readの前にandが必要です)
また、文の前に出てきた言葉を指すwhichやwho、thatといった語の後に主語・述語、もしくは述語となる形の語が続きますが、それは日本語で言えば「野球をしている少年」の「野球をしている」という部分に当たるものであり、文全体の主語や述語とは言えません。よって、以下の文では、
The lady who talked to me yesterday is the principal of my high school.
文頭にあるthe ladyが文全体の主語で、isが述語ということになります。
なぜ、このような基礎的な事柄をわざわざ確認するのか、疑問に思う人もいるかもしれませんが、帰国生や海外生の中には、この点に関する認識が浅く、ある文で示されている中心的なものが何かを見失ってしまったり、接続語がないのに述語になる動詞が複数ある文を書いてしまったりしてしまうという人が多くいます。また、以前に文法を学習することの必要性について述べた時にも説明しましたが、以下で示すような文に関して、どの語が文全体の述語で、それ以外の動詞はどのような役割を果たしているのかを理解しづらいというような状況も、今回述べた文構造の原則に対する意識が足りないからだと考えられます。
The old man sleeping under the tree used to be a rich man and have the largest house in the town.
まずは、この基本的な文法的な知識を把握するようにしてください。
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まずは基本的な文の形について確認しましょう ―英語学習の勧めvol.36―
(2011年2月2日 15:59)