文法の学習を始める前に、品詞の名前と役割を確認しておきましょう ―英語学習の勧めvol.35―

(2011年1月20日 16:57)


こんにちは。SOLの余語です。
前回は、文法の学習を単元を絞り込んだ形で行うという話をしましたが、学習すべき単元は何かということを示す前に、それに必要な文法用語について、品詞の名前や役割を中心に説明しておきます。

まず、品詞の中では、名詞、動詞、形容詞、副詞、前置詞、接続詞について理解しておくことが重要です。名詞noun)は、人や動物、ものの名前や、職業、集団、場所、日にち、現象や概念などを表す語で、文の主語subject、その文で表す行為や状況の主体となるもので、文頭に置かれるのが一般的です)や行為の対象となる語になるものです。例えば、an uncle、a dog、a lawyer、an enterprise、the biosphere、interrelationshipといった語がそれに当たります。

次に、動詞verb)は人やものの行為や状態を表す語で、文の述語verb、その文で中心となる行動や状況を表す語で、通常、主語の後に置かれるものです)となるのがその中心的な役割ですが、語尾にingを付けたり、前にtoを付けたりすることで、名詞や形容詞、副詞と同様の働きをします(これについては後日、説明する予定です)。eat、read、recommend、enable、want、preferといった語が動詞に分類されます。

そして、形容詞adjective)や副詞adverb)は、他の語や句を修飾するという役割を果たします。ある語Aが他の語Bを「修飾する」とは、Aが人やもの、行動や状況(=B)の様子を詳しく説明することです。例えば、「おもちゃをもらった子どもが楽しげに歩いている。」という文で言えば、「おもちゃをもらった」という部分が「子ども」を、「楽しげに」が「歩いている」を修飾していることになります。

この点、形容詞は名詞を修飾しますが、happyやpossible、urgent、optimistic、matureといった語が文中でどのような役割を果たしているかを考えてもらえれば、それがわかると思います。一方、副詞は動詞や形容詞などの語や文全体を修飾するもので、very、so、as、およびclearlyやinstinctivelyのように語尾にlyが付くものの大半がこの分類に入ります。

前置詞preposition)は、in、on、by、from、to、duringなどの語で、in my handやfrom the stationのように名詞と一緒に使われて、その他の名詞や動詞、文全体を修飾する(単語がいくつか集まって、一つの意味を表すもの)を構成します。また、接続詞conjunction)は文と文を連結し、それらの関係を表す語でand、but、because、althoughなどが当たります。

SOLでは英文法の授業を行う時に、生徒に対する負担を軽減するために、日本の学校の授業で使われるような文法用語をできる限り用いないことや、多くの海外生・帰国生にとっての母語である日本語がどのように使われるかということと照らし合わせながら解説を行うことを指導の基本方針にしています。

しかし、上で述べたような基本的な用語に関しては、いちいち他の言葉に置き換えていると授業がなかなか前に進まないので、セミナーが開始してすぐの授業で説明し、その後は特別に解説することなく使用しています(もちろん、途中から参加する人には個別に説明を行います)。このブログの読者の皆さんも、辞書などでどの語がどの分類に当たるのかを確認して、ここで紹介したものについて理解を深めてもらえればと思います。

それでは、今回の内容について質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。

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