こんにちは。SOLの余語です。
前回は、to doという表現が、前に来る人やものを表す名詞の役割やそれを使用する際の目的を、「~するための」という形で示すことがあると述べました。今回は、名詞の様子や状況を表す形容詞的な用いられ方で「~すべき」という意味になるto doについて説明したいと思います。
まずは、辞書から1つ例文を引用しますので、この文はどのような意味かを考えてみましょう。
The first thing to learn in working for a company is not to rock the boat.
この文の中には、to learn in working for a companyとnot to rock the boatというto doの形になっている2つの箇所がありますが、このうち、後者はthe first thingに対応しているものですので、以前に紹介した「~すること」の意味でto doが用いられており、「波風を立てないこと」ということを表していることがわかると思います。
一方、to learn in working for a companyはthe first thingの後に置かれており、「初めのもの」がどのようなものかを説明しているはずですが、「会社で働く時に学ぶ」という内容からすると、「会社で働く時に学ぶための」ということを表していると考えるのは不適当ですし、learnするのは会社で働いている人ですので、「~する人・もの」という形でto doが用いられているわけでもないでしょう。
そこで考えなければならないのが、to doの形が「~すべき」という意味で用いられることがあるということです。「会社で働く時に、初めに学ぶべきことは波風を立てないことである」(こういうことは日本独特のように思えますが、万国共通のことなのですね)という日本語は、上で述べた「~するための」という表現を入れた場合よりも、話の流れが自然なものになります。このような意味で用いられるto doの例文をさらにいくつか引用しておきますので、今回説明したことを確認してみてください。
I am at a loss what to say to my patients.
The problem of errorless practice is an important one to solve.
It appears that the first thing to blame is the aftermarket accessory.
なお、これまでに説明したto doの形容詞的な用法については、その文の内容によって「~する/した人・もの」や「~するための」、もしくは今回説明したもののいずれの意味で用いられているのかを判断することになります。この表現が使われている文を読む中で、to doがどの意味で使われているかを考えるようにしてください。
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to doという形の用法を確認しましょうvol.4 ―英語学習の勧めvol.97―
(2011年11月4日 18:55)