こんにちは。SOLの余語です。
ここまで、人やものの様子や状況を、「~する/した人・もの」、「~するための」、「~すべき」という形で説明するために、to doという表現を用いるということを説明してきました。今回も、引き続き、to doの形容詞的な使い方について説明しますが、それはこれまでのものとは異なる特徴を持つものです。
まずは、以下の例文がどのような意味のものか、もしくはto doの部分がどのような役割を果たしているかということを考えてみてください。
Our ability to think and speak separates us from other animals.
この文では、to think and speakというto doの形になったものがour abilityの後に置かれており、どのような能力であるかを説明していると考えられます。しかし、考えたり、話したりするのは人間であって、our abilityではありません。また、to doの他の形容詞的な用法を当てはめてみても、例えば、「考えたり、話したりするための能力」ということになると、思考力そのものというよりは、それを支えている言語能力などを問題にしているように読めてしまいます。このように考えると、例文のto doの用法は、これまでに説明してきたものでは理解が難しいものです。
それでは、このto doはどのような意味で使われているのでしょうか。内容的に考えると、この部分は「考えたり、話したりする能力」と和訳するのが適当であるように思えます。つまり、to think and speakの部分でour abilityの役割などではなく、その中身を直接的に説明しているということです。以下に、もう1つ例文を引用しますが、この文のto doの部分も前に来る名詞の中身を直接的に説明していると考えられます。
You don't often get the chance to swim in the sea in England.
元々、abilityやchanceといった語は具体的な内容があるものではありません(「彼には能力がある」と言われても、何をする能力を持っているのかということはわからないはずです)。これらの語を実際に使う時には、その内容を説明するものが必要になりますが、名詞の後に置かれたto doがその役割を担うことがあるのです。例文をいくつか辞書から引用しておきますので、今回説明した点について確認してみてください。
I look on it as an opportunity to acquire fresh skills.
Some people believe that smacking is not an acceptable way to punish a child.
The president fulfilled the promises to devolve power to elected bodies.
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to doという形の用法を確認しましょうvol.5 ―英語学習の勧めvol.98―
(2011年11月21日 18:55)