こんにちは。SOLの余語です。
前回は、動詞は文の述語以外の役割を担うことがあるが、その場合、述語になっているものと区別をつけるために、述語として用いるものとは異なる形になることを述べました。今回からは、その1つであるto+動詞の元の形(以下、to do)という形の用法を確認していきたいと思います。
日本語の文でも動詞が人やものを表す名詞のように使われることがありますが、「~する」という動詞1語でではなく、「~すること」と語尾に「こと」を付けることで、名詞のような働きをするのが通常です。このようなルールを表す例文として、以下のようなものが考えられるでしょう。
新宿区では、路上で喫煙することが禁じられている。
この文では「喫煙する」という動詞に「こと」が付くことで、この動詞を本来であれば名詞が用いられるはずの主語の位置に置くことが可能になります。日本語の「こと」と同じように、動詞を名詞のように主語や動作の対象となる語として使えるようにする、これが今回取り上げるto doの主な働きの1つです。したがって、上の文を英語で表すと、次のような文になります。
To smoke on the street is prohibited in Shinjuku ward.
(to smoke on the streetの代わりとなるitを文頭に置いて、It is prohibited to smoke on the street in Shinjuku ward.とする方が一般的です。)
動詞は名詞ではありませんので、そのまま主語などにすることはできません(日本語でも「路上でタバコを吸うは禁じられている」としたら、おかしな文ですよね)が、上のように動詞を主語や動作の対象となる語として使いたい場合もあります。そうした場合に、動詞の元の形に何かを付け加えるというのはどの言語でも見られることですが、英語の場合はto do、またはdoingという形にすることになっています。以下に、辞書からいくつか例文を引用しておきますので、to doが名詞と同じ役割を果たしていることを確認してみてください。
It is difficult to foresee the consequences that may arise from this action.
(=To foresee the consequences that may arise from this action is difficult.)
He wanted to find someone who could teach him the skills he needed to know.
Illness forced him to resign from his position in the university that year.
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to doという形の用法を確認しましょうvol.1 ―英語学習の勧めvol.94―
(2011年10月16日 18:15)