2011年度青山学院大学国際政経学部帰国生入試の英語試験について ―英語学習の勧めvol.33―

(2010年12月27日 15:23)


こんにちは。SOLの余語です。
今回は、今後の学習目標を設定する際の参考にしてもらうために、立教大学の帰国生入試に続いて、帰国生に人気がある青山学院大学国際政経学部の帰国子女入試の英語試験について、出題傾向などの説明をしたいと思います。

青山学院大学国際政経学部の外国語試験は大きく2つの問題に分けることができます。まず第1問題は全員共通の英語試験になっており(つまり、外国語試験としてどの言語のものを選択としたとしても、英語試験の受験が必要になるということです)、第2問題は選択した外国語の問題が出題されます。

第1問題は、例年、2つの問題から構成されており、1つは350語ぐらいの長さの英文を読み、日本語で要約するものです(字数制限はなく、解答用紙に収まる分量で書くように指示されています)。今年は、女性と男性のどちらがよく話すのかという問題について、一般的な印象と異なる、男性の方が女性よりもよく話すという考えを述べるものでした。使われている単語や表現は立教大学のものと同じ程度の難易度ですが、文中では、男性と女性ではよく話す場面が違うということが具体的に説明されているだけであるため、ちゃんと要約しようと思えば一言で終わってしまい、「中心的な主張―根拠」という形では要約をすることが難しいものになっています。このような出題の仕方は毎年同じようで、SOLの生徒も過去問対策をしている中で、「答えが出しづらい問題」に苦戦することが多いようです。大学側は、要約というより、文章の概略を大雑把に示すことを(つまり、要約する力ではなく英文のおおよその理解力と日本語の表現力を)確認したいだけなのでしょう。

そして、第1問題の2つ目の問題は、文章を読んで150語以上の語数のエッセイを書くという出題形式になっています。こちらは1つ目のものと違って、内容が一貫している文章が問題文になっていることが多いですが、今年はアジアの様々な国の教育制度で見られる、数学や理科などの科目を英語で教える授業の様子やその問題点について説明しているものが出題されました。そして、そのような教育方法を日本の大学が取り入れるべきかどうかというテーマでエッセイを書くことが求められています。問題文はcontent-based educationという言葉の意味がわかればそれほど難しいものではありませんし、エッセイで要求される語数も多いものではありませんので、比較的取り組みやすい問題だと思います。

これらの問題に加えて、英語試験の第2問題では、ある英文の内容に関する正誤確認問題(10問)となっています。今年は、日本の戦後の経済発展の理由に関する、第1問題の1つ目の問題より少し長めの文章で、Oxford University Pressから発行されているthe very short introductionシリーズのModern Japanから引用されたものだと思います。この本は世界中の書店で購入できるものですし、Amazonなどのオンライン書店でも内容の一部を閲覧できるものです。the very short introductionのシリーズは今年の青学の問題に限らず大学入試の素材として使われる可能性が十分あるものですので、実際に入試でどのようなレベルの文章が出題されるのかを確認したい人は、試し読みしてみてください。

青山学院大学国際政経学部の英語試験は、全体としてそれほど難しいものではないと思いますが、英語や日本語の表現力が求められています。受験を考えている人は、自分の考えたことをどちらの言語でも正確に表現する能力の習得を目指して、海外にいる間の学習を進めてください。

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