教育相談サービスは複数、利用するようにしてください ―帰国生大学入試についてvol.7―

(2010年12月16日 17:20)


こんにちは。SOLの余語です。
今年も年末になり、今年度の帰国生入試も東京大学や京都大学、一橋大学などの国立大学のものを残すのみとなりました。この時期は、例年、来年度の受験を考えている人が志望大学の選定を始める時期だと思います。その際に、大手の予備校などが提供している教育相談サービス(もちろん、SOLでも実施しています)を利用する人が多いでしょう。

それは、一般入試に比べると、帰国生入試では学問研究活動に直結する、数値化のしにくい能力によって合否が決定されるからだと思います。一般入試では、ある特定の科目(国語や英語、世界史、日本史など)に関する、結果の数値化のしやすい形式の試験(例えば、選択形式のもの)が多く、この試験のスコアから偏差値を出すことや他人のものと比較することが可能なため、自分の合格可能性がわかりやすいものとなっています。

しかし、帰国生入試では事情が異なります。確かに、英語試験についてはTOEICやTOEFLなどのスコアといった自分の実力を数値化するものがありますが、小論文試験は、それに対応する能力の多くを偏差値などの形で表すことができません。もちろん、問題文を読んだり漢字を正しく書いたりする能力、時事問題に関する知識の蓄積に関してはある程度数値化することができますが、実際に自分の考えを他人に伝え、「世の中にそのような考えがあっても構わない」と思わせる文章には何が必要なのかについての目安はありません(何は最低限必要なのかについてはありますが)。また、精神年齢の高低を表す指標に関して、全ての人が一致して正しさを認めるものも存在しません。

実際に、先日のブログ記事でも書いた通り、僕も大学入試の時に小論文試験のあるところを受験しました。その他の多くの一般受験生と同じように、入試直前までその入試対策に特化した模試も受けていましたが、合否判定は最後まであまり芳しいものではありませんでした。当日の試験でも模試以上によい小論文が書けた覚えもありませんが(その上、日本史の試験も全くできませんでした)、その大学に合格することができました。

このような事情から、帰国生入試の受験を考えている人が、帰国生の小論文対策の指導をしている予備校や塾などの教育相談サービスを利用するのはよく分かりますし、利用したほうがいいとも思います。ただし、教育相談サービスを利用することには、注意すべき点が1つあります。それは、利用するサービスを1つに絞るのではなく、複数のものを利用するということです。

予備校や塾の提供する情報は、同じ大学の帰国生入試についても、その内容が異なる場合があります。この違いは、質問した予備校や塾で学んでいる生徒の数(統計学的に言えば、サンプル数)や、ある特定の年度に集まった生徒の特性、それぞれは入試傾向の分析に用いている手法の正確性など、様々な要因によって生じてくるものです。

また、この中で特に重要だと思われるのは、教育相談に対応する担当者がどれだけ生徒の指導に携わっているかということだと思いますが(合格した生徒が実際にどのような小論文を書いているのかということは、実際に生徒の指導に関わっていないとわかりません。その理由は上で述べた通りです)、この生徒と担当者の距離によって、送られてくる情報の正確性のみならず、具体性の程度も大きく異なってきます。逆に言えば、返答の具体性の程度によって、進路指導担当者や教師と生徒の距離がわかると思います。この点では、予備校を選択する際にも、教育相談サービスを利用することには意味があるということになります。

教育相談サービスの返答として送られてくる情報は予備校や塾によって大きく異なることは、実際に複数のものを利用してもらえるとわかると思います。少なくとも、帰国生入試に関しては、受験準備や自分の合格可能性に関する具体的な情報が得られるものを見つけられるまで、一つのものだけではなく、複数のサービスを利用するようにしましょう。

なお、SOLでもメールでの無料教育相談や個別面談を受け付けています。上で述べた教師・教育相談担当者と生徒の距離は、大手予備校に比較すると、とても近いものだということができると思います。帰国生大学入試の具体的な情報を知りたいという方は、以下のフォームよりご連絡ください。

【無料教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html
【個別面談お申し込みフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form2.html

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