こんにちは。SOLの余語です。
前回までは単語や表現を覚える範囲を限定して、それを効率よく頭に定着させる方向性で話を進めてきましたが、今回から数回の記事では、一つ一つの単語が文中で果たす役割に注目して、覚える範囲を少し広げる話をします。
記憶しなければならないものが減って気が軽くなった人には申し訳ないですが、英語の単語の役割を一緒に覚えていないと、それを誤った形で解釈してしまったり、使用してしまったりすることがあります。単語の文中での役割の中でも、これだけは意識していなければならないというものだけに絞り込んでいきますので、気落ちせずにお付き合いいただければと思います。
品詞は単語の文中での役割を示すものです
今回の記事の本題に入る前に、予備知識として必要最低限の文法事項の説明をしたいと思います。英和辞書である単語を調べると、意味の説明に入る前に「名」や「動」、n.やv.といった記号を目にすることがあると思います。これは品詞を表す記号ですが、品詞とはその単語の文中での役割に基づいた分類です。
例えば、名詞(noun)はものや人、抽象的な概念などを表すもの(an apple、a student、coincidence、a possibilityがこれに当たります)で、文の中で主語や動作の対象などとして使われますし、動詞(verb)はものや人などの動作や状態を表し(run、fight、study、inflateなど)、主に文の述語となります。また、形容詞(adjective)はものや人の様子を説明するために(beautiful、angry、vigorous、infamousなど)、副詞(adverb)は動詞や形容詞をより詳しく説明するために用いられます(very、so、well、rightlyなど)。
品詞には他にも接続詞(conjunction)や前置詞(preposition)、冠詞(article)などがありますが、それぞれの果たす役割を一般論として理解し、その上で、ある単語がどれに当たるのかということまで辞書で調べたり、頭の中に定着させたりすることができると、例えば、
American society was being subverted from within by moral decay, and the task of conservatives was to resist.
(アメリカ社会は倫理の崩壊によって内部から破滅し、保守的な人々の任務は抵抗することとなった。)
というような、高校のテキストになると急増する複雑な英文の構造を把握したり、そのような文を自分で書いたりすること(=高度に知的な内容を伴った文を書けていると評価されること)が可能になります。時間的な余裕があれば、単語のこのような性質まで目を配って学べるようになるのが理想的です。
複数の役割を果たす単語に注意しましょう
なお、単語の品詞を覚えていく際には注意点が1つあります。これは前にも書いたかもしれませんが、英語の単語には1つでいくつかの品詞に分類されるものがあります。上の文で言えば、withinは前置詞(「~の中に」)として使われる場合と名詞(「内部」)として使われる場合があります。その他の単語では、decay(動詞、名詞)やconservative(形容詞、名詞)も、文の中で複数の役割を果たすことの多いものです。
このように1つの単語で複数の品詞に分類されるものは、英語では多くあります。単語を覚える際には、文の中でどのような役割を果たす可能性があるのかということに注意して記憶するようにしましょう。
それでは、次回も単語を覚えていく際に注意すべき点などについて説明したいと思います。今回の内容で質問などがありましたら、以下のお問合せフォームよりご連絡ください。
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