こんにちは。SOLの余語です。
前回までの2回は単語に関して、記憶する対象を絞り込みましたが、今回は成句表現(イディオム)に関しても絞り込みをかけたいと思います。
成句表現とはいくつかの単語が組み合わさってある決まった意味を表現するものですが、これを知らなくては英文を読む時にその文の構造を把握できませんし、英文を書く場合には書くことのできる内容が限定されてきたり、回りくどい文になってしまったりすることがあります。したがって、頭の中に定着している知識量を増やしていくことが重要になりますので、記憶すべきものを絞り込むという形で負担を軽減しながら覚えていくようにしましょう。
成句表現と構成する単語の意味上のつながりを考えてみましょう
当たり前のことかもしれませんが、成句表現の意味は基本的に構成要素である単語の意味と強い関連性があります。例えば、以下の文ではby no meansという成句表現が使われていますが、The future of our industries and foreign trade is by no means rosy. (英和活用大辞典より引用)
これは「決して~でない、全く~でない」という意味で用いられるもので、この文は「我々の産業と外国との貿易の将来は決して明るくない」ということを表しています。この表現のうち、meansは「手段・方法」という意味ですので(この語はこれで単数扱いで、a means to an end「目的に達する手段」などというように用います。また、よくbyとともに用い、by means of ~「~によって」、by any means「必ず」、by this means「このように」などというように用います)、直訳すると「どのような方法をもってしても~できない、~ということができない」という意味になり、そこから発展して上記のような使い方をするようになったことが分かります。
成句表現の中には、make bricks without straw(何かをするのに必要なものがない状態で何かをしようとする)のような慣用表現もあります。しかし、これも「レンガを作るのにはわらが必要になる」という知識さえあれば、成句表現の意味とそれを構成する単語の意味の間に関連性があることが理解できるかと思います。
覚えるべき単語の意味を絞り込むことについて説明した回でも述べましたが、このように単語や成句の意味の成り立ちを考えることは、これらの知識を頭に効率的に定着させることにつながるようです。効率的な記憶法はいくつか存在するようですが、そのような方法を用いても何かをただ単に記憶しようとするのは多くの人にとって退屈な作業だと思います。この点、今回説明したような推測をすることは、英語的な世界観を理解するという知的刺激に満ちたものでしょうし、覚えなければいけないものの数を減らしてくれるので一挙両得です。ぜひ実践してもらえればと思います。
それでは、今回説明した内容などで質問などがありましたら、以下のお問合せフォームよりご連絡ください。次回は、SOLの推奨する単語や表現の記憶法について説明します
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