こんにちは。SOLの余語です。
前回述べたことである程度覚えなくてはならない単語の数が減ったと思いますが、今回はさらに覚えるべきものの数を絞り込むために、一つ一つの単語の持つ中核的な意味を捉えることの重要性について説明したいと思います。
一つの単語には一つの中核的な意味があります
英和辞書や市販の単語帳を見ると、ある一つの単語に意味のつながりが分からない日本語の意味がいくつも記載されているということが多くあります。例えば、Z会から出版されている「ACADEMIC〔中級〕人文・社会科学編」という単語を学習するための教材のP.99には、accommodationという単語の意味として「(宿泊)設備、融通、便宜」という意味があると説明されています。そして、ランダムハウス英和大辞典にはこれに加えて「順応、調整」といった日本語が掲載されていますが、これらの単語の関連性はよく分かりません。
僕も自分で英語の勉強をしている過程でこの単語に出会い、こんなにたくさんの意味をどのようにして覚えればいいのか途方にくれてしまった覚えがあります。その時に考えたのは、これほど多くの、一見したところ独立した意味を持つ単語が社会で広く用いられることはあるのかということでした。
しかし、実際にはこの単語は様々な場面で多く用いられています。英文を多く読んでいく中で、そのような状況を目にした時、英語圏のネイティブの頭の中では一つの単語に対して一つの意味的なイメージしかない場合が大半であるが、それを文脈に合わせて和訳しようとした時に日本語の単語をいくつも当てなくてはならなくなるので、辞書や単語帳には日本語の単語がいくつも表記されているということに気付きました。
このようなことに気付いてからは、覚えるべき単語の数を減らすために、また自分の頭の中の柔軟性を確保するために、一つの単語の中核的な意味は何なのかということを、それを覚える前に考えるようになりました。上に挙げたaccommodationの場合、人を受け入れる施設が「宿泊設備」、人の考えや状況を受け入れるのが「融通、順応、調整、便宜」ということになり、「自分の外にあるものを受け入れること」という意味がその中核にあるということが分かります。
中核的な意味を探り出すようにしましょう
このような中核の意味だけを覚えるようにすれば、何かを暗記するということに伴う重い負担を軽減することもできますし、また不思議なことにこのような過程を経て、一つの中核的な意味的イメージを絞り込むのに苦労した単語(つまり、それだけ多くの関連性の薄そうな日本語の単語が表記されているもの)は知らぬ間に頭に定着することも多くあります。最初は中核の意味を捉えるのに時間がかかりますし、難しいことだと思うかもしれませんが、いったん慣れるとそれほど負担も感じなくなりますし、短い期間で意味を覚えた単語の数が増えますので、成果を感じやすいはずです。ぜひこのような形で単語の意味を覚えるようにしてもらえればと思います。
なお、このような学習法には1点注意が必要です。英語はその単語や文法の形成の過程で多くの言語の要素が入った言語です。元々北欧のバイキングの言語から生まれた英語は、イギリスの原住民族の言語であるケルト語や、ラテン語、フランス語などの影響を強く受けていますし、それらの言語の単語が組み込まれています。そのため、meanのような様々な意味を持つ単語があることに注意する必要があります。単語帳で関連性の全く見えない日本語が並んでいる場合、辞書では別の単語として表示されていることが多いですので、まずは手元にある英和辞書などで別の語源から発生した意味がないかを確認し、別々の単語として覚えるようにしてください。
それでは、次回は単語の中核的なイメージを把握した後、それをどのように覚えるのかということについて話をしたいと思います。今回説明したことで分からないことがありましたら、以下のお問い合わせフォームからご連絡ください。
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