こんにちは。SOLの余語です。
今回は、大学受験を今年する予定の帰国生のうち、北半球の学校に通っている人がこれから6月に高校を卒業するまでに、
英語学習について何をすべきかについて、先日出題した問題の出来に合わせながら説明したいと思います(南半球の学校に通っている人に関しては次回、説明します)。
まず、問題1を正しく答えることができ、問題2の文構造も理解できた人は、これからの2ヶ月間で英文法などを体系的に学習する必要はありません。海外滞在期間が長い人であれば、これまで英語を使ってきた経験を正しく整理できているはずですし、それほど長くない人であれば、日本にいる時に学習したことを十分に活用できていることに加えて、英語を実際に使っていることで英語運用能力が伸びています。今後は、現地校・インター校の授業で学術系の文章に多くふれることで、語彙や理解できる学術的な概念を増やすことに注力してください。文法については、帰国生の弱い項目を帰国後にピンポイントで学べばよいと思います。
次に、海外に滞在している期間が3年以上で、問題1には正解したが解説が理解できなかった、もしくは問題2の文構造が理解できなかった人は、英文法や語彙に関する自分なりの整理に誤りがあると言えますので、これからの2ヶ月間で英語を体系的に学習したいところです。しかし、体系的な学習を独力で行うのは時間がかかりますし、卒業前の多忙な時期でもありますので、TOEFLのPBTに見られるような文法問題を多く解くようにしてください。また、何となく意味が分かると思っていた単語について辞書などで意味や使い方を再確認するよう心がけてもらえればと思います。
そして、滞在期間が3年未満で、片方の問題だけ正しい理解ができた人、もしくは問題はできなかったが解説は理解できたという人は、日本に中学3年までいて英語の学習を体系的にしたことで、一通り文法に関する知識が身についているはずです。それを活かすためには、語彙や表現の知識を増やすことと英語を実際に使った経験を蓄積していくことの2つが重要になります。具体的には、学校の授業などに積極的に参加するべきですし、その中で分からなかった単語や表現の意味を辞書などで確認してください。
最後に、問題1、問題2ともに答えが分からず解説も理解できなかった人に関してですが、現時点では英文法や語彙に関する理解や知識に欠けていることや、年齢相応な形で英語を使った経験も乏しいことが考えられます。英語を使った経験の蓄積なしに、体系的な学習を短期間で進めることは大変難しいことです。今すぐにでも入試に向けた直接的な準備をしたいと思われるでしょうが、これからの2ヶ月間を日々の生活の中でできるだけ英語を使い、多くの英語を吸収して、帰国後体系的な学習を行うための準備をする期間だと考えてもらえればと思います。
今回の問題の出来がどのようなものであったとしても、これから高校卒業までの間でそれぞれ何ができたかということが、大学受験の成否に大きく影響します。学習の成果はその1ヶ月後~3ヶ月後に出やすいからです。上の方針に沿った形で充実した2ヶ月間を過ごしてください。
なお、今回述べたことで質問などがありましたら、こちらより連絡してください。次回は、南半球に住む人の英語学習の方針に関してお話しします。