こんにちは。SOLの余語です。
今回と次回は、前回出題した問題の解説をしたいと思います。その上で、今年帰国子女枠入試で大学受験をする予定の人が何をすべきかについて、どれくらい問題ができたのかということに合わせて説明したいと思います。
それでは、今回は問題1の解説です。
問題1
次の文にある空欄のそれぞれに適当な単語を選択肢の中から選んで入れなさい。
Political forces in the global North most closely ( ① ) with the model of controlled capitalism suffered a series of election defeat at the hand of conservative political parties who advocated a ‘neoliberal’ approach ( ② ) economic and social policy.
① a) identity b) identify c) identified d) identifying
② a) at b) to c) with d) on
正解は①がc)、②がb)になります。
まず①ですが、カッコの前にcloselyというものや人(名詞nounに分類されるものです)の動作や様子を表す語(動詞verbや形容詞adjective)を詳しく説明するための語(副詞adverb)がありますので、名詞であるa)は入りません。
また、identifyという語をb)の形で用いる時はそれが文全体の述語でなければなりません。しかし、後のsufferedをこの文の述語と考えないと、名詞の様子などを説明するために受身の形で用いられることの少ないこの語の役割が文法上説明できないことになります。よってb)も正解ではありません。
残るのはc)かd)ということになりますが、identifyには以下のような用例があります。
You can’t simply identify wealth with happiness.
(富と幸福を単純に同一視することはできない。)
これを受身の形にすると、
Wealth can’t simply be identified with happiness.
となります。be identified with ~で「~と同一視される。~と同じようなものと見なされる。」という意味になるわけです。①の直後にはwithがありますので、①には受身の表現で用いられるidentifiedを入れなければならないと考えるのが適当でしょう。ただしbeはないので、identified withからcapitalismまではその前の名詞部分にかかり、「統制的な資本主義のモデルに最も近いと考えられる北半球の政治勢力」を表します。
次に②ですが、approachが名詞としてどのような使われ方をするのかを辞書で確認してみると、以下のような文例が出てきます。
Yesterday, we discussed various approaches to the problem we had faced.
(昨日、我々は直面していた問題に対する様々な取り組み方を論じた。)
つまり、an approachという語はtoと一緒に使われて、「~に対する取り組み方」という意味になるわけです。このことを考えると、②にはb)が入り「経済政策、社会政策に対する新自由主義的な取り組み」という内容になっていることが分かります。
問題1の解説は以上です。
質問などがあったら、こちらまで連絡してください。
次回は問題2の解説をします。